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イチローにみる「勝者の発想」
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◎ エニアグラムでイチローと松井秀喜の性格を分析すると──

『イチローにみる「勝者の発想」』
[著]児玉光雄 [発行]二見書房


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 イチローと松井、ともに日本のプロ野球界で頂点を極め、現在は最高峰のメジャーリーグで高い評価を受けるスーパーアスリートである。しかし、二人は人間としてまったく違ったタイプのように映る。スポーツ心理学を究理する私としては、これほど興味深い比較・対照物は他にない。彼らがいかに現在の姿にたどり着いたのか。そして我々はその姿から何を学ぶべきなのか。

 まずは二人の本質を理解するところから始めよう。そのためには彼らの性格を分析する必要がある。より客観的に正確に分析するために、エニアグラムを用いてみよう。

 エニアグラムは紀元前2500年頃のバビロンに起源を発する性格分析法である。人間は生まれながらの気質により、9つの性格に分類されるという。

 詳細は、『エニアグラム──あなたを知る9つのタイプ〈基礎編〉』(高岡よし子、ティム・マクリーン訳/角川書店)をお読みいただきたいが、この本の著者であり、エニアグラムの権威者であるドン・リチャード・リソとラス・ハドソンによると、人間は誰でもこの9つの性格を併せ持ち、その中で最も強調される性格によりタイプ別に分類される。

 イチローをその言動や行動などから分析すると、「挑戦する人」というタイプの典型であることがわかる。自信満々で挑戦を好み、自分の目標を意地でも達成する。頑固であり、決断力がある。

 自分がやると決めたことはなんとしてもやり遂げる。たとえば、午後7時にフィットネスジムにいると決めたら、その日課を中心にその日のスケジュールを決めてしまう。

 こうと決めたら絶対に実行する。頑として自分の主張を曲げない。それだけでなく、実行力にも優れ、傍目には不可能と思えるような目標でもどんどん実現していく。

 イチローは自分の少年時代を振り返って、「いやあ、ほんとうにわがままな子供でしたよ」と表現する。ここでいう「わがまま」とは、子供のころから人に言われるままに従うのではなく、自分で考えて、ひらめいたことを工夫研鑽(けんさん)してやり遂げていたことをさす。それを「わがまま」という言葉で表現してみせただけのことである。

 このタイプの人間は時に、不機嫌そうで人を寄せつけないように見えることがある。ただし、事実はそうでない。それは極度の集中状態にあるためなのだ。その心理状態で内面にあるもう一人の自分と対話している。他意はまったくない。

 一心不乱でバッティングに取り組んでいるときに、誰かが話しかけてきたら、「ごめん、後で」となる。そんな深層心理を、イチローは「わがまま」と表現しただけなのである。これが「挑戦する人」の特徴である。

 それでは松井はどんなタイプだろう。同じくリソとハドソンによるエニアグラムの分類によると、彼は「助ける人」である。思いやりがあり、人を楽しませる。一緒にいて愉快だ。周りの人間を喜ばせるために大きな仕事をする。それがこのタイプの特徴である。

 松井は4歳からピアノを習い始めた。その弾き方は柔らかく滑らかで、あの大きな体から想像もできない繊細(せんさい)な音色を奏でたという。ピアノのレッスンは9歳でやめてしまったが、中学・高校でもキーボードに触れることは日常茶飯事であり、プロ野球選手になってもピアノは手放さなかった。

 楽器を弾く人間というのは、心理学的に分析すると周りの人を楽しませようという意欲にあふれているタイプとされる。周りにエネルギーを与えながら自分も周りの人間からエネルギーをもらう。

 ニューヨークのスポーツ記者たちは口をそろえて、「松井ほど性格の柔和(にゆうわ)なメジャーリーガーはいない」と語っている。チームメイトだけでなく、記者団までも味方につけてしまう人格者である。
「助ける人」は、おおらかで、あまり細かいことには気を留めない。

 松井が読売ジャイアンツに入団した春季キャンプでこんなことがあった。新人にとって最初のキャンプである。誰でも神経が高ぶる。ところが松井は違った。

 宿舎が同室だった当時の選手会長の篠塚和典はこう語っている。
「松井はほんとうに心臓の強い男だ。寝つきもいいし、朝なんかモーニングコールが鳴っても、まったく動じず眠り続ける神経を持っているからね。プロ向きの性格をしていると思うな」

 同じ外野手としてレギュラーポジションを争っていた四条(よじよう)稔も、「あいつはとても高卒だとは思えない。ほんとうの年は2728歳じゃないですか。ともかく図太いですよ。僕たちも見習わなければ」とあきれていた。

 松井が武蔵なら、イチローは小次郎である。巌流(がんりゆう)島での決闘で武蔵が勝利を収め、小次郎は命を落としたが、二人の差はほんの紙一重であった。もう一度闘ったとしたら、どちらが勝つかわからないはずだ。

 武蔵はちょっと不器用ではあるが、一点に絞り込む気迫は凄まじい。一つのことに意識を集中したらそれ以外のことを捨てられる。迷いがない。自分の決めたやり方をあくまでも貫き通す心構えが座っている。少々のことでは動じない図太い神経を持っている。

 一方、小次郎は器用である。なんでも簡単にマスターしてしまう。少し神経質ではあるが、悟りは早い。周りから発せられる殺気に対しても武蔵よりも敏感に察知できる。だから未来まで読める。ほとんど欠点が見当たらないところが欠点といえるほど完璧である。

 イチローと松井の特徴である「挑戦する人」と「助ける人」という性格はあなたの中にも必ず同居している。

 それではここであなたがイチロータイプなのか、それとも松井タイプなのか、それを見分ける簡単なテストをしてみよう。さてあなたはどちらのタイプだろう。

1 いつも両親や友人に感謝する心を大切にしている。

 ( )はい( )いいえ
2 いつも冷静に物事に対処できる。

 ( )はい( )いいえ
3 穏やかな性格である。

 ( )はい( )いいえ
4 なんでも自分でやらないと気が済まない。

 ( )はい( )いいえ
5 優等生タイプだと言われることがある。

 ( )はい( )いいえ
6 単純作業でも黙々とやりこなせる。

 ( )はい( )いいえ
7 人の意見はできるだけ受け入れるタイプだ。

 ( )はい( )いいえ
8 とにかく自分を追い込んでいくタイプである。

 ( )はい( )いいえ
9 他人に優しいと言われることが多い。

 ( )はい( )いいえ
10 自分にも厳しいが、他人にも厳しいところがある。

 ( )はい( )いいえ
11 周りの人間のことを考えてから行動する傾向がある。

 ( )はい( )いいえ
12 一匹狼の人生にあこがれる。

 ( )はい( )いいえ
13 他人が自分に迷惑をかけても大抵のことは許せる。

 ( )はい( )いいえ
14 厳しい練習でもそれが意味のあるものなら耐えられる。

 ( )はい( )いいえ
15 あまり腹を立てた記憶がない。
( )はい( )いいえ
16 自分を見つめて成長していくことに興味がある。

 ( )はい( )いいえ
17 ユーモアがあると周りの人間から言われることが多い。

 ( )はい( )いいえ
18 他人から指摘されても受け入れられないことが多い。

 ( )はい( )いいえ
19 性格はおっとりしている。

 ( )はい( )いいえ
20 私は完璧主義である。

 ( )はい( )いいえ

◇集計欄 奇数の質問の「はい」の数( ) 偶数の質問の「はい」の数( )


 実は、偶数の問題はイチロータイプ、奇数の問題は松井タイプに相当する質問事項である。「はい」と答えた数を奇数の問題ごと、偶数の問題ごとに集計してみよう。

 偶数の得点が高かったらあなたはイチロータイプ。奇数のほうが得点が高かったら松井タイプというわけだ。

 もちろん点数があまりに低い(たとえば、4点以下)と、あなたの性格は二人のタイプから外れている可能性が高い。

 どちらかの項目において、10問のうち7問以上「はい」があれば、間違いなくあなたはそのタイプである。

 もちろん両方のタイプを兼ね備えた人もいるかもしれない。端的に言うと自分を追い詰めてパワーを発揮するのがイチロータイプであり、周りの人間の期待に応えようとして力が出せるタイプは松井タイプである。

 あなたが、どちらかのタイプにあてはまるなら、イチローあるいは松井の生き方は非常に参考になるはずだ。


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