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皆んなが知りたいアソコの秘密
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雑学
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女子自衛官の訓練◎女性だからといって甘くはない

『皆んなが知りたいアソコの秘密』
[編]素朴な疑問探究会 [発行] 河出書房新社


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 女性兵士の採用にそれなりの歴史をもつアメリカの軍隊にも、女性兵士の存在を“開かれた軍隊”の宣伝に利用しようとする一面がある。それに抵抗し、男を超える兵士になるために孤軍奮闘する女性兵士の姿を描いたのが、リドリー・スコット監督の映画『GIジェーン』だった。

 WAC(Women's Army Corps)とよばれるわがニッポンの女性自衛官(制度)も、自衛隊の宣伝的な思惑のみでつくられたのではないか?どうしても、そんな想像をしてしまう。ところが、女性自衛官を養成する訓練の内容を知るや、そんな想像は一気に消し飛んでしまった。

 陸上自衛隊の大津駐屯地には、教育専門の部隊である第109教育大隊が置かれている。

 二〇〇三年の春、第109教育大隊に、曹候補士として入隊した九二名のWACが配属された。新隊員教育課程の前期教育を受けるためだ。前期教育課程は、三か月。そのあいだ、新入隊のWACたちは、武器のあつかい、野外歩哨(ほしょう)(見張り)、総合戦闘の訓練を受ける。

 第109大隊でのWACたちの一日は、午前八時からの朝礼、自衛隊体操ではじまる。そして、国旗掲揚後に、前期教育課程の課業に入る。期間中の課業は、座学、実習、演習に分けられるが、なかでも、「これは、ハンパじゃない!」とウナらせられるのが、小銃のあつかいにかんする訓練である。WACたちは、男性自衛隊員と同様、入隊式の翌日に64式小銃が渡される。64式小銃は、陸自隊員にとってもっとも身近でベーシックな火器だ。ビジネスマンやOLにとってのパソコンに匹敵するといっていいだろう。

 まず、WACは、この64式の解体と結合を徹底的に仕込まれる。解体がすむと、判定官が各パーツの名称について矢継ぎ早に質問する。そのすべてにたいし、新隊員は、一度もまちがえずに即答できなくてはならない。また、解体結合の作業は、速さと正確さの両方が要求される。どちらが欠けても、まともな評価はもらえないのだ。

 解体結合によって64式の構造を理解したあとは、いよいよ実弾を使っての教習射撃になる。この実習は、今津駐屯地の室内射撃場で行なわれる。射撃手五人と薬莢(やっきょう)受け係五人で「一個射群」を編成し、二五メートル離れた標的を一斉射撃するのだ。戦場が目に浮かぶような、きわめてシリアスな射撃訓練である。

 そして、もっとも圧巻なのが、重装備をまとっての二五キロ行軍だ。全行程三か月の前期教育課程が第九週にさしかかった時点で行なわれる、饗庭野(あいばの)での野営訓練。そこで、WACたちは、重さ一〇キログラムの背嚢(はいのう)、四・四キログラムの小銃を携えて、アップダウンの激しい二五キロの道のりを踏破する。

 午前五時に起床して、一時間半後に出発。笑顔で出発したWACたちの顔が、しだいにこわばっていく。一時間に一回の小休止も、鉛のように重くなった足を軽くする助けにはならない。声をなくして進む彼女たちに、隊列ごとについた班長が大声で(げき)を飛ばす。残り五〇〇メートル。WACたちは、長く伸びた隊列を四列縦隊に組みなおし、最後の力をふりしぼって走る。重装備の音を重々しく響かせて、彼女たちはゴールに向かう――。

 野営訓練のあと、WACたちは、攻撃目標への突撃、匍匐(ほふく)前進をふくめた総合戦闘訓練をへて、前期教育課程を修了する。そして、実働部隊配属の前段階となる後期教育課程を受けるために、各地に散っていくのだ。

 これだけの訓練を乗り切るWACは、たとえ実戦に無縁であったとしても、十分に“使える女たち”である。それだけは、まちがいないだろう。

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