中国史上初の統一国家をつくった男
始皇帝は、史上はじめて中国全土を統一した英雄である。
始皇帝の登場以前、中国は「戦国時代」と呼ばれる群雄割拠の状態にあり、諸侯が、「われこそは王」と勝手に名乗って、覇権を争っていた。やがて、それらの国々は、燕、斉、韓、楚、趙、魏、秦の七国に絞られていくが、いわゆる統一国家が生まれるには至らなかった。
史家のなかには、もしこの時代に始皇帝が登場しなければ、中国史はこの分立状態のまま、しばらく進んだのではないかと考える人もいる。始皇帝の登場の意味は、それくらい大きいものだったのだ。
ちなみに、中国の「シナ」という呼び方は、秦の音がなまってできたものだ。