モンゴル系諸部族の統一
チンギス・ハンは、「モンゴル帝国」と呼ばれる空前の大帝国を築いた英雄だ。
彼が登場する前、モンゴル高原では、タタール部、モンゴル部、ケレイト部をはじめとするモンゴル系諸部族が生活していたが、それらを統一する勢力は現れていなかった。
いっぽう、モンゴル高原の東には、10世紀に「遼」が建国され、それが滅ぶと12世紀はじめに「金」が建国された。金は「中原」(中国の中心地)進出をねらっていたため、モンゴル高原のタタール部の台頭を恐れた。そして1195年、大軍を派遣してその討伐に乗り出す。
このとき、金に協力してタタール部を討ったのが、当時まだテムジンと名乗っていたチンギス・ハンだった。