モンゴル帝国の分裂
モンゴル帝国のフビライ・ハンといえば、日本では「元寇」をもたらした人物としてよく知られている。日本はこの大ピンチを、いわゆる「神風」もあって、なんとか切り抜けたが、ほかの多くの国は、モンゴル軍の圧倒的な軍事力の前に倒れている。
フビライ・ハンは、チンギス・ハンの四男トルイの子として生まれた。兄には第四代ハンのモンケ、弟にはイル・ハン朝を開いたフレグ、のちにフビライとハン位を争うアリク・ブカがいる。
兄のモンケ・ハンの時代、モンゴル帝国は、東は中国北部から西は西アジア・ロシアにまたがる大帝国になっていた。しかし、宗教も文化も違う地域を、ひとつの制度のもとで治めるのは、むずかしい。