イワン雷帝の意外な側面
大声で叱られることを日本では「雷を落とされる」と表現するが、ロシアの歴史には、極端な恐怖政治で人々を恐れさせたため、「雷帝」の異名をもつ皇帝がいる。モスクワ大公国のイワン四世だ。
ロシアでは、9世紀にノルマン人が建てたノブゴロド王国が、のちにキエフ公国を経てモスクワ大公国となった。
モスクワ大公国は、はじめモンゴルのキプチャク・ハン国の支配下にあったが、イワン一世がハン国にとり入って、ロシア諸侯国に対する宗主権を獲得。イワン三世の時代には、ついに二四〇年もつづいた「タタールのくびき」を解いた。
イワン三世は、さらにビザンツ帝国(東ローマ帝国)最後の皇帝の姪と結婚。