独立運動の理論的支柱
アメリカ合衆国第三代大統領トーマス・ジェファソンは、1743年4月13日に生まれ、1826年7月4日に八三歳で生涯を閉じた。
この亡くなった日というのは、自ら起草した「独立宣言」が公布されてからちょうど五〇年目の「アメリカ独立記念日」に当たっている。
ジェファソンは、ヴァージニア植民地の西部に生まれた。大学で科学と法律を学び、二四歳で弁護士となる。その二年後の1769年にはヴァージニア植民地議会議員に選出されて、政治家としての道を歩みはじめた。そして、アメリカの歴史が大きく動きだす1774年をむかえる。
前年の「ボストン茶会事件」を受けて第一回大陸会議が開かれたこの年、ジェファソンは『ブリテン領アメリカの諸権利の概観』を発表して、植民地はイギリス本国と平等な自治を許されるべきであると説いた。