革命前夜のフランス
フランス革命期の政治家ロベスピエールは、ジャコバン派の独裁者として恐怖政治を断行したことで有名だ。そのため、革命の歴史に汚点を残した人物、という印象が強い。
しかし、反対派を厳しく弾圧したという点をふくめて、彼はいかにも革命家らしい革命家だった。よくも悪くも、理想家肌の人間だったことは間違いない。
ロベスピエールは、フランスのアルトワ州アラスに生まれた。父親は弁護士だったが、ロベスピエールが若い頃に失踪している。
彼は少年時代から成績抜群で、ルイ一六世が学校を訪れたときには、生徒代表としてラテン語の賛辞を朗読している。のちにロベスピエールがルイ王を断頭台に送ったことを考えると、歴史の皮肉なめぐり合わせを感じさせるエピソードだ。