少年期のスパルタ教育
中世以降、ドイツを支配していたのは、名目上は神聖ローマ帝国(962〜1806)だったが、しだいに大小の領邦に分裂していき、国家としての実体を失っていった。
プロイセンも、そうした領邦国家のひとつだったが、「兵隊王」と呼ばれたフリードリヒ・ウィルヘルム一世(1688〜1740)のもとで強大な常備軍をつくり、絶対王政を確立、頭ひとつ抜け出した。これが、19世紀後半にドイツ民族を統一する基礎となる。
ここで紹介するフリードリヒ大王は、フリードリヒ・ウィルヘルム一世の息子だ。のちにすぐれた軍事センスを発揮するフリードリヒだが、若い頃は狩猟や軍事演習を嫌い、フルート演奏をはじめとする音楽に親しんだ。