現在の中国が建つまで
「革命」というものは、ふつうは権力を倒すことをいう。したがって、権力者は革命を何よりも嫌う。だが、中国現代史においては、権力者が先頭に立った革命があった。1960年代の中国を揺るがした「文化大革命」である。
毛沢東は、清朝末期の1893年、湖南省の富農の家に生まれた。1911年、同地の第一師範学校を卒業すると、北京大学図書館に勤め、そこでマルクス主義と出会い、中国共産党が創立されたときには、その創立メンバーであった。
以後の中国現代史は、そのまま毛沢東の個人史と重なる。共産党は、最初は国民党と共闘していたが、孫文の死後、後継者の蒋介石が共産党排除を決めたため決裂し、反政府の立場をとる。