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精神分析がもっとよくわかる本
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「臨床心理学」って何?

『精神分析がもっとよくわかる本』
[編]心の謎を探る会 [発行] 河出書房新社


読了目安時間:3分
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 人間は、とかく悩む生き物だ。できることなら、不安や苦しみのようなマイナス感情を避けてとおりたいものだが、生きているかぎり、悩みがなくなることはない。

 プラス思考の人でさえ、人間関係に悩み、仕事に不安を抱え、悲しいことがあれば落ち込む。ときには、悩みがないことを悩んでしまうのが人間だ。

 しかし、人間には、悩みや不安を解決する力もそなわっているので、たいていの場合、数日もすれば自然と元気な気持ちを取り戻す。ところが、不安や緊張があまりに大きく、自然な心のメカニズムで処理しきれなくなると、「心の健康」が損なわれることになる。

 たとえば、初対面の人と会うときは、どんな人でも多少の緊張や不安を感じるものだが、心の健康が保たれていれば、知らない人とあいさつし、会話を交わすことができる。だが、緊張や不安が強すぎると、人と会うことすらできなくなることもある。

 このように、心のトラブルがもとで、何らかの自覚症状、あるいは客観的な症状が出たときに、心のケアをするのが「臨床心理学」である。

 この場合の「臨床」とは「患者と接する」という意味で、臨床心理学は、心の病や悩みをもつ患者と対面し、診断、治療、助言、研究を行なう心理学の応用分野といえる。

 心理学には、学問色の濃い分野と、カウンセリングや心理療法を通じて、人間の心に直接アプローチしていく分野がある。臨床心理学は後者にあたる。

 また、臨床心理学は、医学的な治療を行なう「精神医学」とも区別される。どちらも心に関する専門分野であることに変わりはないが、心のトラブルとのかかわり方が違うのだ。

 一般に、心の病気の治療法には、表に出ている症状を取り除くことを目標とする場合(これを「対症療法」という)と、症状を引き起こす心のメカニズムにメスを入れて、悩みを根本から解消することを目標とする場合がある。前者の場合は薬物治療、後者の場合は精神療法(心理療法)が中心となる。

 したがって、前者の治療は、薬を使う関係から、精神科、神経科、心療内科などの医者しか行なえない。

 いっぽう、後者の治療は、医者をはじめ、臨床心理学を修めた専門家(臨床心理士など)も行なえる。

 臨床心理士は、文部科学省認定の財団法人である日本臨床心理士資格認定協会による民間資格で、心理学関係の大学院修士課程を修了し、一年以上の心理臨床経験をもつ人が受験できる。最終的に、協会の筆記・口述試験に合格しなければならず、カウンセリング関係の資格のなかでは、ハードルが高いものだ。

 しかし、両者を比較したとき、「()てもらうなら、やっぱりお医者さんがいい」と思う人もいるだろう。たしかに、薬はある種の心のトラブルによく効くことが知られているし、精神療法の知識をあわせもつ医師もいる。

 ただ、精神科にいって精神分析などの精神療法を希望しても、その希望がかなえられないことがあるのも事実。精神科の医者であっても、精神療法について知識や技術があるとはかぎらないからだ。

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