現代の精神科治療では、症状を緩和するために何らかの薬物を処方されることが多い。「心の病気は、脳の病気」と考える生物学的な精神医学の発達で、脳に直接作用する薬物療法が重視されるようになっているからだ。
精神科治療に用いられる薬物は、主に次の三種に分けられる。
まず、抗精神病薬。メジャートランキライザーとも呼ばれるもので、一般に、鎮静作用と妄想や幻覚を抑える作用をあわせもつ。統合失調症やうつ病の治療に使われる。
抗うつ薬は、精神運動の活性化、気分高揚などの効果がある。うつ病などの症状改善のために使われる。
抗不安剤は、マイナートランキライザーとも呼ばれるもので、神経症や心身症などの不安感を取り除くために使われる。