東大法学部で優秀な成績をおさめていた秀才が、創設した闇金融の「光クラブ」。
敗戦後の混乱に乗じて、急成長を遂げたのもつかの間、警察に摘発され、三〇〇〇万円の債務を負った東大生社長は、青酸カリをあおって命を絶った。
▼「清算(青酸)カリ自殺」の衝撃
昭和二四年(一九四九)一一月二四日、闇金融業「光クラブ」社長が銀座の事務所で青酸カリ自殺をした。東大法学部に籍をおく山崎晃嗣、二七歳である。
物価統制令違反で検挙された影響から事業が破綻し、支払期限を翌日に控えてのことだったが、遺書には「貸借法すべて清算(青酸)カリ自殺」と悲壮感とは程遠い駄洒落が書き記されていた。