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ジャンボ旅客機99の謎
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雑学
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■1■ 旅客機で宇宙まで上昇できる?

『ジャンボ旅客機99の謎』
[著]エラワン・ウイパー [翻訳]ウイチャイ・ワンナワック [発行]二見書房


読了目安時間:3分
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 旅客機に乗ったことのある人なら、一度は考えたことがあるのではないだろうか。スピードを上げて滑走路を走る機体がフワッと離陸し、空に向かってグングン昇っていくのを体感しながら、「このまま宇宙まで行けたらな……」と。

 しかし、現実には、旅客機が高度100kmを超える大気圏外に飛び出すことは不可能である。最大の理由は、空気(酸素)がない、ということだ。

 旅客機に使われているジェットエンジンは、燃料を霧状に噴射し、そこに点火して燃やして動かす。火をつけるためには酸素が不可欠なので、高度が高くなり、酸素が薄くなればなるほど、燃料を燃やすのが難しくなるのである。おそらく、高度10kmあたりで、必要量の酸素が得られなくなり、エンストを起こす可能性が出てくる。

 ただし、薄い酸素をさらに圧縮して使うエンジン(ラムジェットやスクラムジェット)などもあり、これを使えばもう少し上昇することが可能だ。しかし、それでも75kmくらいが限界といわれている。どちらにしても、空気のない宇宙空間をジェットエンジンで飛ぶことはできない。

 ちなみに、スペースシャトルやロケットの場合は、酸素の「素」となる液体酸素を燃料と一緒に積んであり、これで酸素をつくりながら燃料を燃やしている。だから、周りに空気がまったくないところで飛ぶことができるのだ。

 もうひとつの理由は、飛行機が空を飛ぶ原理にある。

 飛行機が空中を前進すると、翼には前方から風があたる。この風は翼の上と下に分かれて後方に流れていくが、このとき、翼上面と翼下面のカーブの角度が異なるため翼の上と下で気圧に差が生じるのである。

 気圧はカーブの急な翼の上では低くなり、カーブのゆるやかな翼の下では高くなる。その結果、翼の上では引き上げる力、翼の下では押し上げる力が生まれる。これらの力を「揚力(ようりょく)」という。飛行機が空中に浮かんでいられるのは、この揚力のおかげだ。

 ところが、空気の薄いところでは、翼にあたる風の量も少なくなるため、必要な揚力が得られないのである。まして、宇宙は真空空間なので、翼に頼る揚力はまったく期待できない。つまり、宇宙では翼は何の役にも立たないのである。

 これとは別に、薄い空気のなかで十分な風量を得るために、飛行速度を上げるという方法も考えられるが、現在のジェットエンジンでは限界がある。また、宇宙に到達するには、地球の引力圏を抜けるために必要な速度(第2宇宙速度=秒速11・2km)まで加速することが必要となり、旅客機のエンジンパワーではとうてい無理だ。

 たとえスピードが出たとしても、旅客機機体の外板は、それほど高速の状態には耐えられない。また、翼も音速(時速約1200km=マッハ1)を超える速さを想定した「つくり」にはなっていないので、あまり高速になると分解するおそれがある。

 それでも、もし何かのはずみで宇宙に飛び出してしまったら……。

 機体の強度や構造上の問題から、機体は空中分解するか、運よく分解はまぬがれても、操縦不能となり、宇宙の(ちり)と化すことになるだろう。
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