日本人にとって、オーストラリアはコアラやカンガルーの住むレジャー・アイランドといったイメージ。いっぽうのオーストリアは音楽の都ウィーンのある伝統と文化の国。
いずれにせよ、二つの国名は、よく似ている。直接の関係はないが、オーストラリアもオーストリアも、もともとは方角を示す言葉である。
まず、オーストラリアは、「南方の国」という意味。オーストラリアが発見された一七世紀、古くからインド洋の果てに大陸があると信じていたヨーロッパの人びとは、現在のオーストラリア大陸と南極大陸とを「テラ・アウストラリス・インコグニタ(未知の南方大陸)」と呼び、それが国名の由来になった。