ロバート・デ・ニーロ、メリル・ストリープ共演の映画『恋に落ちて』は、妻子ある中年男が、独身の中年女性とプラトニックな不倫の恋に落ちる物語だ。
この映画で最大のポイントになったのは、デ・ニーロの浮気を知ってしまった妻が、「彼女とは、当然、寝たのね」と静かに問う場面だった。そこで、夫役のデ・ニーロは、「いや、寝てはいないんだ」と事実をありのままに伝える。すると、妻は、安心するのとは反対に、にわかに表情をけわしくして、「寝ていないなんて、なおさら許せない」とのセリフを吐くのである。
この映画は、かなりのヒット作となっただけに、最後の妻のセリフは、大人の映画ファンのあいだでずいぶん話題になった。