数千年前においては、カジュアル・セックスは、女性にとっても重要な利益を得る機会だったという。
たとえば、ひとつの集落が、食料の不足に悩まされたとする。
シカもイノシシもとれず、木の実もとれない。すでに、何人かの乳飲み子が死んだ。大人たちが飢えて死ぬのも、時間の問題である。
そんなとき、その集落に一頭のシカを担いだ狩人が訪れる。なにもかも枯渇した村において、その肉と交換できそうなものは、もはやひとつしか残されていない。セックスが、それである。
女性は、狩人に一時のセックスを提供するのと引きかえに、シカの肉を得た。娼婦が人類最古の職業といわれるのは、そんな理由があるのかもしれない。