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アベノミクスの足枷となる原発“不”再稼動 【Voice S】
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政治・社会
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アベノミクスの足枷となる原発“不”再稼動 【Voice S】

『アベノミクスの足枷となる原発“不”再稼動 【Voice S】』
[著]澤田哲生 [発行]PHP研究所


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Voice S アベノミクスの足枷となる原発“不”再稼働


澤田哲生 

アベノミクスの足枷となる原発“不”再稼働 目次

原子力規制委員会の不作為
変革する体力を失う電力会社
活断層問題への“すり替え”
経済の屋台骨を壊しかねない


原子力規制委員会の不作為




 安倍政権の中枢部からは、原発は日本経済の復活のための基礎インフラとして欠くことができないという声が聞こえてくる。民主党の野田政権が掲げた「原発ゼロ」政策をゼロベースで見直すとも。しかしながら全国の原発をいつ運転再開(再稼働)するかとなると、途端に口は重くなる。第一、法治国家なのだから、法の原則に則ってさっさと再稼働すべきなのである。

 三月十三日に日本経団連の21世紀政策研究所が主催した会議において、経産政務官・平将明氏は「規制委員会が七月に新安全基準を成立させれば、安全が確認されたものから順次運転再開する」という方針を述べた。しかし、そんな悠長な話でいいのだろうか。しかも、そんなに簡単に事が運ぶとは思えない。規制委員会が運転再開の大きな障害になりつつあるのである。

 そもそも私は、規制委員会は活断層問題において、科学的根拠と判断に基づく正当性のある審議と判断を放棄し、実質的に「原発ゼロ」ないしは限りなく原発ゼロに近い状況に向かって邁進しているとみている。そして、そのことを機会あるごとに訴えてきた。しかしながら、少なくとも現政権の中枢を担う国会議員には、規制委員会が原発ゼロを志向しているという認識がきわめて希薄である。

 私は三月八日のNHK佐賀放送で放送された『徹底検証 玄海原発 運転再開を問う』において、「できうるかぎり早期の運転再開をするべきだ」と明確に主張した。理由は四つある。(1)福島第一原発事故の教訓に基づいた安全対策が、すでに十分反映されている。(2)そもそも運転再開の試金石であったストレステストの一次評価において合格のお墨付きを得ている。(3)玄海の四基の原発のなかでも三、四号機は、運転開始から二十年以内の比較的新しい原子炉である。(4)玄海原発は加圧水型軽水炉(PWR)であり、仮にシビアアクシデント(過酷事故)が起こったとしても炉心を冷やしやすい。

 原発の安全確保の要は、炉心の核分裂反応を止める、炉心を冷やす、放射性物質を閉じ込める、にある。福島第一原発がシビアアクシデントに至ったのは、炉心を冷やすことに失敗したからである。

 この(1)〜(4)の四点において、すでに再稼働している大飯原発と何ら遜色がない。そればかりか、最近何かと取り沙汰される活断層問題が玄海にはない。さらに津波についても、想定津波高さと敷地高さの関係、そして日本海側に発生する津波の質の点で対策しやすい。

 三月初旬、玄海原子力発電所の三・一一後の追加的安全対策の実情をみる機会を得た。多数の電源車や移動式ポンプが、これでもかといわんばかりに追加配備されている状況は、いささか過重ではないかとも思えた。そして津波襲来時の浸水対策として、そこかしこに金庫のような水密扉が敷設してある。
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