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五輪景気で輝く日本 「東京止まり」脱却こそが観光立国への鍵 【VoiceS】
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経済・金融
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五輪景気で輝く日本 「東京止まり」脱却こそが観光立国への鍵 【VoiceS】

『五輪景気で輝く日本 「東京止まり」脱却こそが観光立国への鍵 【VoiceS】』
[著]星野佳路 [発行]PHP研究所


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五輪景気で輝く日本
「東京止まり」脱却こそが観光立国への鍵


星野佳路 

「東京止まり」脱却こそが観光立国への鍵 目次

単年度の集客より産業全体の底上げを
地方をどれだけアピールできるか
空港に求められる民間企業の常識
世界遺産は利用と保全を両立させよ
生産性・収益性強化を果たすには


単年度の集客より産業全体の底上げを




 現在、日本の観光業には明らかに追い風が吹いている。今年の夏休み期間に成田空港を利用した外国人の数は約一三九万人に上り、前年比で一九%も増加した。大きな要因の一つは、アベノミクスによる円安である。しかし為替は移ろいやすいものだ。現在ある追い風を、真の意味で観光業の発展につなげ、日本の目標である「観光立国」を現実のものとしなければならない。

 九月七日、ブエノスアイレスで開かれたIOC(国際オリンピック委員会)総会で、二〇二〇年夏季オリンピック・パラリンピックの開催地が東京に決定した。観光産業への影響がマスコミで大きく報じられている。

 まず考えるべきなのは、五輪はあくまでも一つの「イベント」にすぎないということだ。一過性のものに終わらせず、開催で培ったノウハウやブランド力を、開催後も継続的に活かす必要がある。単年度の集客より、観光産業全体の底上げを図ることを考えたほうがよい。二〇二〇年夏だけ日本への観光客が増加し、それ以降はリバウンドで減少するという事態は避けなければならない。

 現に一九九八年、長野冬季五輪のときがそうだった。五輪の開催によって、「長野」「白馬」という地名やスキー、スケートが可能な土地であることが世界中に知れ渡った。にもかかわらず、五輪開催後の観光客数は外国人、邦人ともに開催前の水準に戻ってしまったのである。

 なぜ、長野五輪の盛り上がりは継続しなかったのか。一つの理由は、自治体が五輪のつつがない開催については考えても、競技場や施設などのインフラを観光に活用する観点をもたなかったからだ。また、大会運営を手馴れた東京のイベント企業に委託することで、皮肉なことに地元の長野にノウハウが残らない結果を生んでしまった。

 意外に知られていないが、観光産業は市場全体で約二五兆円規模と、じつは国内の自動車産業に匹敵する巨大産業である。したがって五輪の有無にかかわらず、これを強化することは日本にとって必要不可欠な国家戦略なのだ。

 つまり、東京五輪はこれまで日本政府が「観光立国」をめざしてきた戦略シナリオの線に沿って、それを後押しするものでなければならない。われわれ星野リゾートも、五輪需要を当て込んで特別なイベントをするのではなく、既存の施設の価値をより高めていくことに注力したい。当社が描くビジョンの達成目標の一つとなる「期限」が、二〇二〇年に定められたにすぎないということだ。


地方をどれだけアピールできるか




 一九六四年の東京五輪には、日本の戦後復興を世界にアピールするという意味があった。そのため、まず開催地「東京」の存在を示すことに全力が注がれた。しかし現在、日本は世界有数の経済大国に成長した。東京の知名度も抜群に高い。いまさらアピールの必要がないほど東京は存在感がある。
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