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恋人はできるのに、結婚できないあなたへ
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あとがきに代えて 武装解除の勇気を持つべし

『恋人はできるのに、結婚できないあなたへ』
[著]野浪まこと [発行]あさ出版


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 書き終えたいま、ふと思ったのは、果たしてこの本のなかに「結婚」という単語は何回出てきたんだろうか、というアホなこと。

 何十回、いや何百回か。全編結婚ケッコンけっこんkekkon……である。ページを開けば結婚に当たる。そういう本とはいえ、さすがにちと暑苦しい。

 いきなり二〇〇ページ分ぜんぶ撤回して言いたくなる。別に無理して結婚するこたぁねえよ! と。

 撤回は冗談だが、「結婚しない」もまたアリなのだ。おひとりさまとしての生き様もすでに市民権を得つつある世の中だ。悩んだ末にその手があった! と目からウロコが落ちるのであれば、それもまた人生なのである。


 そう。無理して結婚することはない。

 裏を返せば。

 ちょっとばかり無理しなきゃ結婚できないのが、いまの世の中なのかもしれない。

 空気を読まなきゃ生きていけないこの国の、特にその傾向が強いこの時代では、そもそもみんなけっこう無理して生きてきたんじゃないか。無理して空気読もうとして、素のままじゃ読めないし何より空気が痛いから、やがて(よろい)を着込んで武装することを覚える。

 社会人として生きるための鎧。異性にモテるための鎧。人間関係をうまくやるための鎧。……ああもう、まさに鎧の重ね着ファッション。動きづらくって仕方ない。


 いつの間にかホントの自分がどんなかなんてわからなくなる。思い出そうにも思い出せないから探しに行く。自分探しってやつである。そうやって見つけたはずの「ホントのあたし」自体がもう、実は新たな鎧だったりもするわけで。

 鎧での武装があたりまえになる。仕事や友人付き合いにも鎧を着込む。もちろん恋だって鎧付きでしてしまう。恋だけなら、できたりする。

 だけど。

 鎧を着たまま誰かとハグしようとしても、ガッチャンガッチャンぶつかるだけだ。相手が素肌だったら痛がるな。すぐに離れたくなる。

 ホントは素肌でハグしたい。ぬくもりを感じたい。だけど鎧の武装を解くことは、こんな時代だからこそ、そう簡単なことでなくなってしまってる。

 せっかくつくり上げた対外的な自分。戦闘用の自分。空気読める自分。

 脱いだ瞬間なんにもなくなっちゃうんじゃないか。厳しい社会の風に吹き飛ばされ、消えてなくなっちゃうんじゃないか。コワイのである。

 鎧を着るときも無理したわけだが、脱ぐときはそれ以上に大変だ。生身をさらす勇気が必要だから。

 ちょっとばかり無理しなきゃ結婚できないのがいま、と書いたのは、つまり自分を武装した「鎧を解く」ための勇気が持てるかどうかという意味なのだ。素の自分をさらしているつもりで、まだどこかでカッコつけてたんじゃないのか。

 最後の〝ひと無理〟やってなかったんじゃないのか。


 そう。メンツとかプライドとか、恋愛はこういうものでなきゃという思い込みとか、これらもまた鎧のようなものなのだ。そういうの、全部とは言わないが半分ぐらい捨てることができたなら、実はいまほど結婚に向いてる時代はないのかもしれんなぁ、とも思うのだ。

 どうも人に優しくない世の中だからこそ、一人きりで突っ張るのはキビシイ。つがいになって男と女が協力して、世の中の荒波に立ち向かっていくべきなんじゃないのか。こんな時代だからこそ、一人より二人で。

 やっぱり、愛こそが不況をサバイブする唯一にして強力無比な武器なのだ。

 ……と、わかったようなわからんようなことを赤面しながら書きつつ、あとがきの代わりとさせていただく。


 最後になりましたが、担当編集者である、あさ出版の古川有衣子さんに感謝の言葉を述べさせていただきます。ときおり音信不通になる駄目な書き手を、なだめすかしながら要所で的確なアドバイスで軌道修正させてくれ、どんなに力になったことか。おかげでどうにか最後までこぎ着けることができました。

 また、散々執筆中に邪魔しまくってくれたけど、煮詰まったときに散々(いや)してくれた二匹の愛猫にも、今夜はちょっと高級なフードを買ってきてあげようと思います。

 何より読者の皆さま、最後までお付き合いいただきありがとうございました。


 二〇一〇年一〇月某日
野浪まこと
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