赤狩りはようやく過去のものとなるがプロダクション・コードはなおも厳しい
90年代半ばのハリウッドからは「ロブ・ロイ」「ブレイブハート」「トゥルーナイト」などが送り出され、久しぶりにスペクタクル史劇が甦ったが、そのようなスペクタクル史劇の監督として名物的な存在だったセシル・B・デミルが78歳の生涯に幕を閉じたのが1959年の1月である。
ハリウッドの草分けだったデミルは、1923年と56年の二度に渡る「十戒」をはじめ「暴君ネロ」(32年)、「クレオパトラ」(33年)、「サムソンとデリラ」(49年)、史劇ではないが「地上最大のショウ」(52年)などで見世物的な要素の濃い演出を展開させて大衆を楽しませてきたのだった。