人気絶頂のセラーズだがマスコミに叩かれたり心臓病のトラブルも…
「博士の異常な愛情」「5月の7日間」「未知への飛行」……軍部権力の脅威をテーマとした作品が相次いで登場した年だった。「博士の異常な愛情」と「未知への飛行」は核戦争の恐怖を描いている点でも話題だった。
そのスタンリー・クーブリック監督によるブラック・ユーモア調の「博士の異常な愛情」でアメリカ大統領、イギリスの空軍大佐、元ナチの狂気の科学者の3役を器用で巧妙にこなしたピーター・セラーズはこの年の最もホットなスターになった。
1月の「博士の異常な愛情」に次いで4月には「ピンクの豹」公開。セラーズの当たり役となるクルーゾー警部のデビューである。