サル・ミネオが殺害されクリフ・ロバートスンは汚職を告発
『ハリウッド、魅惑のイメージを失う! 虚飾に代わる下品さ!』
1976年8月21日付けの『ニューヨーク・タイムズ』紙は、こんな見出しでハリウッド・ブールヴァードの腐敗を伝えた。かつてスターがそぞろ歩きし、お洒落な店の並んでいた大通りはいまではポルノの本屋、大人のオモチャ屋がやたらと目立つ。陽が沈みかかって以後は怖いからこの周辺は歩くな、とも言われるようになった。
実際、ハリウッドの犯罪は増加した。サル・ミネオは犠牲者の一人である。「理由なき反抗」(55年)、「栄光への脱出」(60年)でオスカー候補になったミネオは、ツッパリ・タイプの若者役で売った俳優だが、2月12日夜、芝居のリハーサルから帰ったあとハリウッドの自宅で何者かに殺されたのだった。