明治維新による文明開化で、日本に伝わった紅茶。もとは日本のお茶がヨーロッパに伝わったのだから、里帰りとでもいうべきだろうか。
わずか一三〇年あまりの歴史しかないわが国の紅茶だが、ここのところ人気が高まり、リーフティーやティーバッグだけでなく、缶やペットボトル入り紅茶飲料の売れ行きも右肩上がり。その傾向が一〇年あまり前から続いている。
しかも、それまで緑茶・麦茶が上回っていた飲料年間一人当たりの消費量が、一九八七(昭和六二)年を境にレギュラー、インスタントともコーヒーと逆転したのと同時に、紅茶の需要も一気に急上昇を始めたのである。