映画ファンに愛されたオードリーの死
オードリー・ヘプバーン死す!
1993年の映画界はそんな驚きのニュースで始まった。「ローマの休日」のアン王女の役でスターの座に駆けのぼって以来、世界の映画ファン、とりわけ日本の映画ファンに愛されたオードリーが1月20日に結腸ガンのためスイスの自宅で亡くなったのだ。この日は、2000年に任期満了でその座を去るビル・クリントンが第42代アメリカ合衆国大統領の座に就いた日でもあった。オードリーは、前年92年11月にロサンジェルスで手術を受け、自分がガンであることを公表していたのだが、まさか、その死がこんなに早く来るとは誰も予想していなかっただろう。
オードリーの人気は日本では圧倒的に強く、「ローマの休日」が公開された翌年、1955年には、1952年から始まった映画雑誌『スクリーン』の読者が選ぶ人気スターのトップにランク・イン。