新作を完成させた直後にクーブリック監督が死去
ハリウッド史上最高の製作費2億ドルが投じられた「タイタニック」の人気は世界中でまだまだ続いていて、主演レナード・ディカプリオのすることは何でも注目されることになった。そんな中で映画ファンが最も気にしていたのは、やはり彼の次回作だ。その待ちに待った次回作、イギリスの作家アレックス・ガーランドの小説を原作にした「ザ・ビーチ」の撮影がいよいよタイで始まった。
とたんに、タイにはディカプリオをひと目見たさのファンが押しかけて大騒ぎ、というのは、ま、無理もないか。映画を見るだけでなく、ナマの姿にふれることはファンの夢なのだから。そのうえ現地ではダニー・ボイル監督以下のロケ・スタッフが撮影用にヤシの木を動かしたり、砂浜に勝手に手を入れたりしたものだから自然保護団体のクレームがついて騒ぎはいっそう大きくなった。異国の地にドルの力にものをいわせてアメリカ流を持ち込むハリウッド映画の大がかりなロケには、「地獄の黙示録」や「太陽の帝国」の昔からトラブルがつきものだ。