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(2021/11/26 追記)

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100万人の映画教室(上) 私の愛する映画たち
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エンタメ
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私のワルガキ時代――それは活動写真のころ――

『100万人の映画教室(上) 私の愛する映画たち』
[著]淀川長治 [発行]近代映画社


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 いまではチラシだが、サイレント時代の大正十年(一九二一)ごろはプログラムのコレクションが活動写真のファンであった。

 それが〈ファンの虫〉になるとほかの各地方の映画館のプログラムまで手を伸す。

 それで活動写真雑誌には、最後の頁近くにプログラム交かん希望の頁というのがあった。なになに県の誰それですがこちらのプロとそちらのプロ“希望は東京、横浜”との交かんを乞う。このような頁があって二十名くらいの人の希望名が毎月小さな活字でならんでいた。

プログラムの交換から生まれた友情

 十二歳のころの私はこれに夢中になった。私は神戸、それで東京と横浜のプロ交かん相手を選んだ。前田晃君。日暮里の私より二歳くらい上の少年だった。のちにわかったがお寺さんの息子さんだった。

 ところが名古屋のファンから私とプロ交かんの希望の手紙がきた。仁羽君というこれも私より二歳くらい上の中学生だった。

 私はそれで二組の相手に神戸のプロを送る。両親と映画館にゆくときも私は『プログラムもろたら大事にしわにならんよう持っててよ』ときびしく命令した。

 それだけでも足りぬので私はキネマ倶楽部と朝日館の場内売店がスルメとドーナツだけは先週あるいは先々週あるいはもっと古いその映画館の残ったプログラムで包むことを知っていたので、その映画館にゆくと必ずドーナツを買った。
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