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(2021/11/26 追記)

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100万人の映画教室(上) 私の愛する映画たち
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エンタメ
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アメリカという国を映画からもっと知ろう《アラスカ篇》

『100万人の映画教室(上) 私の愛する映画たち』
[著]淀川長治 [発行]近代映画社


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 ドロシー・ダルトンが出ているから見に行こうと家じゅうが言った。

 私もドロシー・ダルトンだから見たいと思った。

 これが大正八年(一九一九)のときだったから私の十歳のときだ。するともう私は十歳のころからスタアで映画を見ていたらしい。

 そらそうだ。そのもっとまえの「運命の指環」という連続活劇はパール・ホワイトだから見に行ったのだし、同じく連続ものの「的の黒星」もエディ・ポローだから見たのだし、それらは大正六年、七年というころだから私は八歳、九歳ころからもう活動写真のスタアの名をだいぶ知っていたらしい。

 ドロシー・フィリップスだから見に行こうと言ったこともたしかにおぼえている。

 これはもうつまり大正の五年(一九一六)や六年(一九一七)こんなあたりからアメリカの活動写真のスタアの名は家の中や町の中にしみこんでいたわけだ。

   ○

 話はそれたが、そんなわけで大正八年には日活系の神戸の錦座でドロシー・ダルトンの「ユーコンの侠妓」というのを見た。
「侠妓」というのは鉄火のあねご肌の芸者のことだ。「ユーコン」とはアラスカの河だ。

 これを見て恥ずかしいが十歳の私は泣いたこともおぼえている。

 どこで泣いたかというと、そのころの活動写真のオーケストラ・ボックスの伴奏が、この「ユーコンの侠妓」でヴァイオリンのソロで“ホーム・スイート・ホーム”を聞かせたときだった。
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