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映画批評真剣勝負 ぼくが映画に夢中になった日々《作品鑑賞篇》
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エンタメ
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サムライ Le samourai

『映画批評真剣勝負 ぼくが映画に夢中になった日々《作品鑑賞篇》』
[著]荻昌弘 [発行]近代映画社


読了目安時間:11分
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主題と内容

 ノウブレス・オブリージ――と言う。覚えておいていい言葉だ。貴族には貴族としての義務がある、といった誇りから出た言葉であった。いまでは、一つの身分にともなう責務、といった意味にも使われる。明治三十二年、新渡戸稲造博士は、アメリカで、西欧に日本の道徳と思想を知らせようと、名著「武士道」を著した時、武士道を、「サムライ階級のノウブレス・オブリージである」と定義した。

 フランス監督ジャン・ピエール・メルヴィルが、アラン・ドロン主演で、若いパリの殺し屋の末路を映画化しようとした時、まず頭に浮んだのは、新渡戸博士のこの武士道の定義だったのではないか。彼メルヴィルは、新作の題を「ル・サムゥライ」とつけた。フリーランスの人殺し専門家のドラマである。殺し屋には一匹狼だろうとつねに「殺し」にともなうノウブレス・オブリージがある。自分一人、死の恐怖にたえて心の奥底で守り通さねばならぬ掟がある。それを守り通した男――他の誰にでもなく自分自身に対して、ばかばかしいほどの心の責任を守り通した男。メルヴィルは、サムライという日本の言葉で、実は日本の侍とは職業も道徳律も思想もまるで違うが、自らへの厳格さだけは等しかったそんな男の孤独を、表現しようとした。

 この主人公ジェフ・コステロには、係累がない。
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