『あの世がわかればこの世が変わる』
[著]中島孝志
[発行]ゴマブックス
私が縄文杉に会いにきたことも、この因縁に導かれてのことだと自覚している。西岡常一さんとの出会いがその因縁である。
法隆寺、薬師寺の宮大工として高名な棟梁である西岡さんは、飛鳥時代の建築物である法隆寺を昭和に入ってから修理する大仕事を担当し、さらに、薬師寺再建に着手し、現在も現役で活躍している。
法隆寺の修理を担当した彼は、「重い梁によって曲がっていた檜の柱が横たえて三日ほど経つと、完全とはいえないが元にもどっていたことに驚いた」と言う。