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ポーランド映画は、この前の「影」が、いろいろと話題を生み、確かに「地下水道」より面白かったが、今度の「灰とダイヤモンド」は、さらに一歩すすんでいる。
これを見たとき、まず感じたのは「地下水道」と「影」が技術的にぶつかっていた壁が、カメラそのものがよくなったため、自然と取りのぞかれたということである。特に「影」では、監督の想像力のほうが先にすすんでカメラがそこまで追いつけない、という印象が強く残ったが、今度はそんなことはない。広角レンズの使用にしても、充分に活かされるように技術的進歩しているため、ドラマを押しすすめていく表現が直接に強く訴えかけてくる。
ポーランド映画の新しい世代の特色を、性格的にむき出したようなタイトル。「地下水道」のときもそうだったが、カタッ、カタッという音をともないながら、タイプライターの活字で題名とスタッフの名前が出てくる。