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植草甚一WORKS3気になる男優たち、そして映画界の動向
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エンタメ
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映画におけるセクシー・ムードについて

『植草甚一WORKS3気になる男優たち、そして映画界の動向』
[著]植草甚一 [発行]近代映画社


読了目安時間:8分
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ムード


 最近は文芸批評でも「ムード」という用語が使われるようになった。まだ若い、しかし作家のヴィジョンを独特につかむ江藤淳がそうだ。彼が賞めているので、きらいだった石原慎太郎の「完全な遊戯」を最近初めて読んだが、とても面白かった。いわば性的行動の「ムード」がここにある。

 丹羽文雄の「天衣無縫」も、初めの間は、外国の作家でも書けないような巧さでサスペンスを生み出しながら、性的行動への期待のムードを触感的に描いている。これも面白かったが、石原のが若いハードボイルド的なムードとすれば、丹羽のは中年期のオズオズしたムードだと言っていい。壁にぶつかって回り道をしているようだ。

 それから大江健三郎が「セックス」という言葉を、シンボルとして、以前からよく使っている。最初ぶつかったときは変な気がしたが、いまはそうでもない。この作家が好きだから苦にならなくなるのだろう。とにかく、ムードといい、セックスといい、ともにある瞬間においては反発するが、ある瞬間また逆に「ぴったり」だと思うようにさせる言葉であって、フランスの暗黒小説を読んでいると、もっと実感をあたえるスラングがやたらに出てくるし、それを発音しただけで変な気持になることがよくある。
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