アメリカ支社に転属になった商社マンの小林さん。初の出社日が大雨で大パニック。雨と風で見通しが悪く、よく道もわからない。あげく、途中で横から飛びだしてきた車にぶつけられてしまった。
事故の相手からはあとで連絡をもらうことにして、やっとのことで会社にたどり着いたときには、すでに就業時間を1時間も経過していた。
ネイティブの部長に「どうしてこんなに遅れたんだ、君!」といきなり怒鳴りつけられた小林さん。
「すみません。事故にあってしまいまして」
と返事をするつもりで、
I'm sorry, I had an accident.
と、小林さんは神妙な面もちで返事をした。
すると、いままでイライラしていたはずの部長ほか、その場にいた新しい同僚全員がいきなり大爆笑!
いったいどうしたことか、小林さんはさっぱり理解できずにいたそうだ。
さて、種明かしをしよう。もちろん、accident という単語には「事故」という意味がある。しかし、accident には、ほかに「お漏らし」という意味もあって、have an accidentという使い方をすると、ネイティブにはその意味で伝わってしまうのだ。
遅刻した言い訳に、
「すみません。お漏らししちゃいまして」
などという返事が返ってくるとは、だれも予想していなかっただけに、オフィスの中は大爆笑と相成ってしまったというわけだ。
この小林さん、次のような表現をしていれば、こんな恥ずかしい誤解を招くことはなかっただろう。
I was in an accident.(事故にあいました)
I was involved in a traffic accident.(交通事故に巻き込まれました)
Someone ran into me.(ぶつけられたんです)