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(2021/11/26 追記)

犬耳書店の作品をRenta!に順次移行します。
詳しくはこちらでご確認いただきますよう、よろしくお願い申し上げます。

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教え上手は、学ばせ上手
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第8‐9章 教え上手のノウハウ(やり方編)/私が見た、本当の教え上手

『教え上手は、学ばせ上手』
[著]関根雅泰 [発行]クロスメディア・パブリッシング(インプレス)


読了目安時間:1時間5分
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第8章 教え上手のノウハウ(やり方編)


ここまで「教え上手のノウハウ」として、「考え方」と「組み立て方」を見てきました。この章では、

1.マンツーマン(1対1)
2.グループ(複数)
3.クラス(多数)

での具体的な「教え上手のやり方」を見ていきます。

教え上手の3場面

「教え上手のノウハウ」について、「考え方」「組み立て方」を見てきました。

 最後に「やり方」について、



マンツーマン(1対1)・・・個別指導での教え方
グループ(複数)・・・・・・会議・ミーティングでの教え方
クラス(多数)・・・・・・・研修・セミナーでの教え方




 の3つの場面に分けて確認していきます。


場面1・・・マンツーマン(1対1):個別指導での教え方


 吉田さんの指導の賜物か、新入社員小笠原君にも少しずつですが、成長の兆しが見え始めています。ただ、それはいつも一緒にいる吉田さんだからこそ気づく点で、周囲からはまだまだそう見られていないようです。先日も課長から、「小笠原君は聞くときの態度がなってないねぇ。あれでお客様のところに行かれたら困るよ。ちゃんと指導しているのか?」と手厳しいことを言われてしまいました。
(確かに俺と話すときは目を見て話せるようになったけど、他の人だとダメっぽいしなぁ、一度、本人にしっかり言ってやろうか・・・でも、またすねられても困るしな・・・)

 本人に言いづらいことも言わなくてはならない、指導係吉田さん、どうしたらよいのでしょうね。


 マンツーマンで教えるメリットとデメリット

 マンツーマンで教える場合のメリットとデメリットには、次のようなものがあります。

メリット

 ・相手に合った教え方ができる

 ・相手の進捗状況を把握できる

 ・相手と密な接点がもてる

デメリット

 ・第三者の意見が得づらい

 ・感情的な対立が起きやすい

 ・相手に過剰な期待を抱きやすい


 マンツーマンで教える場合の最大の利点は、相手に合わせた教え方ができるということでしょう。これこそ教え上手の本質である「相手本位」を実現できる形です。しかし、私たちは後輩をもったり部下をもったりしたときに、相手本位というよりも、私たちのやり方や考え方を押し付けてしまうことがよくあります。それは、自分以外に教える人がいない、間違ったことは教えられない、というある意味プレッシャーがかかった状態では仕方ないことなのかもしれません。ただ理想は、相手を理解し、相手に合わせた教え方をすることです。
「人を見て法を説く」これができるのが、マンツーマンの醍醐味です。逆に言うと、これができないと教える難しさを感じたり、教えることが苦痛になったりします。1章の「教える難しさ」でも確認しましたよね。


 これから「学び上手」を育成する「教え上手」が、どのようにマンツーマンで教えていくのか、その方法について見ていきます。

 ここではマンツーマンで教える際の3点を確認していきます。

誰に・・・・・・レベルを見極め「ラーニング」を基本に「ティーチング」「コーチング」を使い分ける
何を・・・・・・「学び上手」を育てるために、PDCAを回せるようにする
どうやって・・・「レベル」「学習スタイル」「対人スタイル」に配慮する



 「誰に」教えるのか?

 正直、教える相手を選べることは少ないでしょう。自分で採用するなら別ですが、いきなり後輩がついたり部下が配属されてきたり、突然教える立場になった方も多いと思います。その相手に対してどうやって教えるのか? これから見ていきましょう。

 上手に教えるためには「相手本位」になること、まずは相手を理解することが必要です。ここでは、その1つの切り口として、相手の「レベル」というものについて考えていきたいと思います。相手の「レベル」がわかれば、相手のレベルに合った「教え方」(ラーニング・ティーチング・コーチング)ができます。

レベルがわかれば教え方が決まる

 そもそも、「レベル」とは何なのでしょうか?
「レベル」とは、知識・経験の度合いのことです。あるテーマに関して、相手がどのくらいの知識・経験をもっているのか。全くの初心者なのか、ある程度は経験しているのか、ベテランなのか。それによって、教え方も当然変わってきます。


 レベルは、まずは大きく2つに分かれます。あるテーマに関して、相手が「できる」のか「できない」のか。「できる」「できない」で相手のレベルを測ります。できる・できないを把握するのは簡単です。まず相手にやらせてみればよいのです。相手の現状を把握するためにも、まずはやらせてみる。例えば、セミナー講師になりたい人のプレゼンテーション能力のレベルを測るときには、まず本人にプレゼンをさせます。「できる」のか「できない」のか、「できる」とすれば、どの程度「できる」人なのかがわかります。


 やらせてみるのが難しい場合には、そのテーマに関して説明させてみるのも1つの手です。説明ができないということは、きちんと理解していないことと捉えられますので、やらせてみてもできない場合が多いです。

「できる」「できない」のレベルがわかったら、こちら側の教え方も決まってきます。「できない」人には「ティーチング(教え込む)」を強めに、「できる」人には「コーチング(引き出す)」を意識します。ともに基本は「ラーニングの5ステップ」(説明・体験 質問 討議 共有 整理)ですが、ティーチングの場合は「説明」中心、コーチングの場合は「質問」中心になるということは、7章でもお伝えした通りです。

 ただし違うのは、「何かをやらせる場合」にはこの5ステップに付け加えて、「実践 →評価」という流れも必要になります。やらせてみて、その良し悪しをフィードバックしてあげるということです。

 また、「できる」「できない」にもそれぞれにレベルがあります。「できない」の2つのレベル、「できる」の2つのレベルとは、次の通りです。


 ●レベル1「できない」ことに気づいていない

 ●レベル2「できない」ことに気づいている

 ●レベル3「できる」理由をわかっていない

 ●レベル4「できる」理由をわかっている


レベル1・・・「できない」ことに気づいていない

 このケースは、自分を過信しています。自分ができないことに気づいていない。変にプライドだけが高い人にありがちですよね。本人はできているつもりだけど、周りから見るとまだまだという人。こういう相手は「できない」ことに「気づいていない」、つまりレベル1だと言えます。この相手は、教えてもなかなか聞く耳をもちません。逆に、自分のやり方にこだわってくる人もいます。第二新卒や中途社員などに見られる傾向かもしれません。本人はできていると思っているから、始末が悪いのです。

 そんな相手を教える際に有効なのが、観察・指摘・体感です。「観察」とは、教える側が上手にやっているところを見せることです。自分にはできないレベルのことを、先輩や上司が上手にやっているところを見せて「あー、自分にはあんな風にはできないな」と感じさせるやり方です。同行訪問や、客先プレゼンテーションの同席などがこれにあたるでしょう。

「指摘」は、できていないことをこちら側が厳しく言ってあげることです。「君は、○○ができていないね」「ここは、まだまだだと思うよ」など。言う側も勇気がいりますが、言ってあげないとわからないものですので、相手のできていない点は言ってあげましょう。逆に厳しく言ってあげると、若手の信頼感を得られる場合もあります。彼らは自分のできていないことについて厳しく言われる経験が少ないですから。ビシっと言ってくれる人に対してはある種の尊敬の念を抱きます。ただ、当然「言い方」には気をつけてください。指摘する前に褒めるとか、行動を指摘するのであって人格否定をしないとか。これらを忘れて指摘しても、なかなか受け入れてはもらえません。「この人に言われるんじゃ仕方ないなぁ」と思われる関係を築いておけるのが一番ですね。


 やってみせて「観察」させても気づかない。言って聞かせて「指摘」しても気づかない。そんな相手には「体感」させます。できないことを体感させるわけです。つまり失敗させるということです。失敗が許される環境をこちら側が選んであげて、あえてやらせてみる。そのうえで失敗させる。本人に「自分はまだまだだ」「できてないなぁ」と自覚させる。この「自分ができないことに気づく」状態にならないと、なかなか教わろうとはしてくれません。

「自分ができないことに気づく」ということは、何も見えていない状態から「自分ができないことがわかった」状態になったということですから、一歩成長したと言えます。

レベル2・ ・・「できない」ことに気づいている
「できないことに気づく」と吸収力が高くなります。スポンジが水を吸い込むように貪欲に学んでくれます。自分ができないことに気づいたわけですから、できるようになろうと必死になるわけです。このレベルの相手ですと、教える側は楽です。ですから、教わる側の準備を作らせるためにも、「できないことに気づかせる」という段階は非常に重要になります。


 レベル1から2に移る期間がどのくらいかかるのかは人によってまちまちです。ほんの数日で気づく人もいれば、数ヶ月あるいは数年かかる人もいます。これは相手によります。私たちとしてはできるだけ短い期間で「できないことに気づいている」レベル2の状態にもっていきたいわけです。大変かもしれませんが「観察」「指摘」「体感」を上手に使って、レベル2の状態にもっていきましょう。


 レベル2の相手に対しては「ラーニングの5ステップ」+「実践 評価」を使い、本人にどんどん学んでいってもらいましょう。スポンジのようにどんどん吸収してやってくれる分、私たちに求められるのは「実践 評価」の部分です。「実践 評価」とは、やらせてみて、その良し悪しを伝えてあげることです。彼らがやっていることが「正しいのか・間違っているのか」それをしっかり評価して伝えてあげます。正しい行動ならば褒めて強化し、間違っている行動ならば指摘して改善させる。この段階で私たちに求められるのは、相手の行動を「観察し評価する」力です。「こんなに一生懸命やっているのに、上司は見てくれていない」「自分の頑張りを評価してくれていないのか」とやる気をなくされないよう、彼らが実践している様子を観察し評価してあげます。

 レベル2の相手は実践を繰り返し、ある程度はできるようになってきます。営業なら1人で訪問しお客様と話せるようになる。事務なら一通りの仕事は任せられるようになる。つまり「できる」レベルに入ってきたわけです。ただこの「できる」レベルにも2種類あります。

レベル3・・・「できる」理由をわかっていない

 このレベルは、ある程度「できる」のですが、自分が「なぜ」できているかはわかっておらず、「なんとなくできる」「よくわからないけど、なんとかできる」といった状態です。

 このレベルですと、「再現」と「指導」という点で問題が出てきます。自分がなぜできるのかわかっていないわけですから、同じ成功を意識的に繰り返すことが難しくなります。

 営業で言えば、たまたま売上げが上がったけれど、同じような売上げを意識して作ることは難しいという状態です。つまり「再現」できないということですね。また、自分が上手くいっている理由がわかっていないわけですから、他の人に教えることもできません。「よくわからないけど、たぶんこうやれば上手くいくんだよ」「つべこべ言わずに俺のやっていることを盗め」この程度の指導しかできなくては説得力がありません。できる理由をわかっていないレベル3の人間では、そのあとの「指導」ができないのです。


 では、「できる理由をわかっていない」レベル3と「できる理由をわかっている」レベル4を見極める術はあるのでしょうか?
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