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(2021/11/26 追記)

犬耳書店の作品をRenta!に順次移行します。
詳しくはこちらでご確認いただきますよう、よろしくお願い申し上げます。

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データ分析できない社員はいらない
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第5‐6章 利益を管理するためのデータ分析/部門ごとに変わるデータ分析のやり方

『データ分析できない社員はいらない』
[著]平井明夫 [発行]クロスメディア・パブリッシング(インプレス)


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第5章 利益を管理するためのデータ分析  利益・コスト構造を把握し予算作成に反映する



01
利益を分解して管理する
セグメント別損益分析



見るべきポイント→
利益を部門別、製品別、顧客別というセグメントごとに管理することで、会社の中で改善すべき問題点がハッキリ見えるようになります。




 第1章で学んだように、売上からコストを引いたものが利益となります。したがって、売上やコストを複数の視点から分析する多次元分析は、当然利益に対しても有効です。

 この利益を複数の視点から分析する手法は、汎用的には利益多次元分析というべきものですが、管理会計の分野ではセグメント別損益分析と呼ばれています。

 通常、企業は複数の事業を営んでいたり、複数の製品を扱ったりしています。部門も多くの場合、その単位で編成されます。

 そのため、会社全体でしか見ていなかった損益を組織や製品・事業別に分けて見ることで、改善すべき箇所がよりハッキリと見えるようになります。

 その際の切り口(組織や製品など)を「セグメント」といいます(多次元分析の観点では次元・ディメンションとなります)。セグメント別損益分析の方法としては、以下の方法が一般的です。

部門別損益

 部門別に損益を見ることで、部門別の業績を確定し、評価・処遇につなげます。組織としてどこに(誰に)テコ入れすべきかを検討する際に役立ちます。

 セグメント別損益の中ではもっとも基本的なものであり、通常は会計システムにも該当の機能が含まれています。

製品別(商品別)損益

 製品や製品グループ別に損益を見ます。利益を出している製品とそうでない製品を見極め、取捨選択したり、販売促進に投入する費用を見直したりといった意思決定を行なう際に効果を発揮します。

顧客別損益

 顧客別で損益を見ます。利益を出している顧客とそうでない顧客を見極め、取引条件を見直すといった意思決定を行なう際に効果を発揮します。取引額が大きくても、大幅な値引きや過剰サービスを強いられていたため、利益で見ると儲かっていないということは珍しくありません。


 これらセグメント別の損益を算出するにあたっては、重要な前提条件があります。それは、「コストがセグメント別に割り振られている」ことです。一見当たり前のように思えますが、実際は容易なことではありません。

 なぜなら、収益とコストが発生するタイミングは異なり、それぞれに関与する部門や担当者も異なるため、特定のセグメントに対応するコストを簡単に割り当てることができないからです。コストを発生させる当事者は、どの製品の、どの顧客のためのコストかなどを意識せずに作業している場合が多く、実質的にも特定の何かのためでなく複数の対象に共通で発生しているコストも少なくありません。

 分析をする以前に、採用するセグメント別にいかにコストを集計できるようにするか、共通で発生するコストをいかに配分するかの取り組みや仕組み、つまり第3章で学んだ配賦が重要となってきます。

 図1-1は、セグメント別損益分析のイメージです。このような分析を行うことで、全社では利益が出ていても、部分的にはいろいろな問題点が発生していることがわかります。



 セグメント別に損益を出すという行為は、採用したセグメント単位での業績評価をすることに他なりません。この評価を受け、何らかの意思決定につなげることになります。この業績評価を行なう理由は次のとおりです。

・問題の箇所を特定し、改善につなげる

 どこがどう悪いかを判別することで、アクションを起こすきっかけを作り、必要な度合いを示唆することになります。

・処遇に結びつけモラル(士気)を高める

 一般的に、特定単位での業績は部門や人の評価・処遇に連動します。結果と処遇が公正に連動することで、社員の士気の高揚も望めます。

・結果を示すことで社員の教育に活用する

 実施した行動に対して結果が見えないと、次のアクションを起こしづらいことはいうまでもありません。やったことが良かったのか悪かったのかを判別できるようにすることで、社員の意識を変えるきっかけを与えることができます。


 以上のように、セグメント別に業績を管理することは、組織・プロセスの改善や社員の教育・モラルアップ、さらには会社全体の利益改善につながります。

 分析するだけではなく、効果に結びつけるための適切な仕組みと活用が不可欠といえます。

02
利益・コスト構造を把握する
損益分岐点分析



見るべきポイント→
コスト(固定費と変動費)と売上から損益分岐点を割り出すことで、自社の利益・コスト構造を把握することができます。



 損益分岐点分析は、利益・コスト構造を分析する上でもっとも基本的な分析手法で、利益・コスト構造を明らかにし、どのくらい売り上げれば儲かるか(または儲からないか)の分岐点をシミュレートしようというものです。

 コストは通常、変動費と固定費とに分かれます。変動費とは、売上に比例して増えるコストであり、固定費とは売上に比例せずに発生するコスト(売上がゼロでも発生してしまうコスト)です。売上とコスト(変動費・固定費)の関係を図2-1に示します。

 売上高線と総費用線が交わる時点の売上が、利益がゼロとなる売上高であり、それが損益分岐点売上となります。これ以上売り上げれば利益となり、これ以下の売上だと損失になるということです。

 売上から変動費を差し引いた値を「限界利益」といい、売上高線の傾きと変動費用線の傾き(変動費率)の差を「限界利益率」といいます。限界利益率は、売上高が1単位増えたとき、利益がどれだけ増えるかを意味します。


損益分岐点売上 固定費 ÷{1 −(変動費 ÷ 売上高)}

        固定費 ÷(1 変動率)

        固定費 ÷ 限界利益率


 費用構造が大きく変わらないということを前提に、利益ゼロ となる売上が損益分岐点分析によってわかれば、あといくら(何%)売上が下がると(上がると)赤字(黒字)になるといった見通しが立つことになります。損益分岐点売上と現状の売上の距離を測る指標としては、損益分岐点率があります。

損益分岐点率 損益分岐点売上 ÷ 現状の売上
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