*
霊感の強い千鶴をある夫妻が訪ねてきた。
連絡の途絶えた息子を念じる千鶴。
果たして彼女の脳裏に浮かんだ息子の姿は…
*
千鶴はS県の有名女子大にかようお嬢様だが、地元の人々には霊能者としてもよく知られている。
霊感の強さは、彼女がまだ四歳だったころ「先生が死んじゃう」と泣き叫び、その数日後に幼稚園の先生が本当に急死したことであきらかになった。
死の意味さえ知らない幼児の予言に周囲は騒然とした。しかし、最初は気味悪がっていた人々も、千鶴が成長するにしたがって、心配事の解決策や、重大事の決定に関するアドバイスを求めて、彼女のところへやってくるようになった。