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女医・玲子の診察室の困ったさんたち
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お医者さんに通いたくて病気をつくる困ったさん

『女医・玲子の診察室の困ったさんたち』
[著]橋口玲子 [発行] 河出書房新社


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 病気になれば、早く治したいと、だれしも思うもの。医者通いの好きな人なんてまずいないだろう。

 そう思うかもしれないが、実際には、医者好きの人がときたまいる。

 そういう患者さんは、初めのうちは、すぐにそれとはわからない。「だるい」「食欲がない」などと体の不調を訴えるのだが、診察や検査で異常のみられない不調というのはよくあることなので、それだけでは医者好きとは限らない。

 だが、その訴えがしょっちゅう変わりながら、いつまでもつづく人がいる。そうすると、その患者さんは、医者につづけて来たいために症状を次々につくってしまい、なかなかよくならないのだとわかってくる。

 とはいっても、その人が意図的にそうしているわけではなく、もちろん仮病でもない。無意識のうちに医者に依存していて、症状をつくってしまうのだ。

 こういう患者さんに対しては、だんだん距離をおいていかなければならないが、かといって、症状があるのに切り離してしまうわけにもいかない。どうやって距離をとっていくか、なかなか難しいのだが、そんなとき、ポイントとなるのは投薬日数だ。

 わたしは、精神的な不安をかかえていたり、緊張が病気に関係しているなど、精神的なサポートが必要な患者さんには、投薬日数を短くし、次の来院日までの間隔を短くする。

 だが、おもな症状が消え、そろそろ距離をおいたほうがいいと判断すると、「今度は二週間後にしましょうか」というふうに、期間を長くする。

 すると、精神的に医者に依存していた患者さんは、見放されたような気分になるのか、そのまま来なくなる人もいる。

 主症状がよくなっていれば、そういうふうにして関係が切れるのは悪いことではないと、わたしは思っている。それで来なくなった患者さんも、もしもそのあと調子が悪くなれば、またやってくる。そのままずっと調子がよければやってこないだろう。それでいいのだ。

 距離をとったほうがいい患者さんには、次の来院日を指定せずに薬を出すこともある。
「これだけ薬を出しておきますので、なくなったら、そのままようすをみていていいですよ。具合が悪くなったら、薬が残っていても早く来てもかまいません」

 それで、どのぐらいの期間もつかようすをみる。

 医者からなかなか離れられない患者さんには、そんなふうに、投薬日数をいろいろ考えて薬を出しているのだ。


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