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わたしはレンタルお姉さん。
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くらし
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はじめに

『わたしはレンタルお姉さん。』
[著]川上佳美 [発行]二見書房


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 二十九歳の「私」は、広島空港を飛び立ち、羽田に向かいました。
“レンタルお姉さん”の仕事をするために……。


 私が“レンタルお姉さん”として、人生の新たなスタートを切ってから、もうすぐ三年がたとうとしています。
“レンタルお姉さん”とは、引きこもっているニートの自宅を訪問してニートと向き合い、再びいろいろな人とかかわるきっかけをつくる女性。私はこのレンタルお姉さんを自分の職業として選んだのです。


 それまでの私は、広島の会員制ラウンジで、ラウンジホステスとして働いていました。

 その私が、なぜレンタルお姉さんになったのか?

 もとをたどれば、ラウンジホステス時代、お客様から「珠里(じゅり)ちゃん(私)の笑顔を見て話をしていると、ほんとに癒されるよ」などと言われたのがきっかけでした。
「私が人とコミュニケーションをとることで、なにかの役に立てる」

 それは、自分にとって新しい発見!

 もし、それが私の長所であるなら、ラウンジホステスのほかに、それを活かせる職業はないものかと考え始めたのです。ラウンジホステスをしていて、得るものもたくさんありましたが、その頃の私は、これから先もずっと続けていく仕事ではないと感じるようになっていました。


 そして、もっと「自分を活かせる仕事」を模索し、それが見つからずにもがいていたとき、私はひとつの新聞記事に目を留めたのです。

 それは、引きこもっているニートたちを「四国お遍路」に連れていくというイベントの紹介でしたが、その記事をきっかけに、私は“レンタルお姉さん”という仕事を知り、
「これが私の求めていた仕事!?」

 とひらめいたのです。


 私は医師でも、カウンセラーでも、教育者でもありません。けれども、引きこもっているニートの話を聞き、「人との出会いはいいもんだよ」「外の世界には、苦しいこともたくさんあるけど、楽しいことも負けないくらいいっぱいあるよ」と、伝えることならできると思ったのです。

 それは、自分のそれまでの体験で実感していることでしたから。


 そして、広島から上京し、レンタルお姉さんになってもうすぐ三年。

 私はニートの自宅を訪問しながら、さまざまなニートやその家族と接してきました。直接、担当したニートだけでも四十人余り。活動の応援や寮などで接した人を含めれば、数百人のニートの姿を見てきたことになります。

 そうした生活のなかで、「ニートは真面目すぎるから、いいかげんに生きられず、引きこもるようになったのではないか」と感じるようになりました。世間では、ともすれば「ニートは怠け者」のように言われますが、それは事実とずいぶんかけ離れているように思えるのです。

「こんなに真面目に完璧を求め、逃げ道のない生き方をしていたら、さぞ生きるのが苦しいだろう。私だったら、とても耐えられない!」

 そう思わずにはいられませんでした。
「そんなにひとつの価値観に縛られずに、もっと柔軟にいろいろな考え方や選択肢があるということに目を向けたらいいのに……」
「ちょっと考え方を変えるだけで、もっと楽に、もっと幸せを感じて生きていけるのに……」

 いつも、いつも、そう感じてきました。


 また、ニートの親御さんについても、その苦悩の深さを知れば知るほど、
「なにがあっても『子どもを外へ出す』という覚悟を親が決めれば、今の生活から抜け出せる方法はあるのに……」

 という思いが、どんどん強くなりました。


 日本に八十五万人いるともいわれるニート。

 そのニートに頭を悩ませているたくさんの親たち。

 今、引きこもりがちになっているニート予備軍も、大勢いるのかもしれません。

 もし、私のレンタルお姉さんとしての体験、私の感じていることが、そうした人たちの心を少しでも軽くし、ニートやその家族が“暗く長いトンネル”から抜け出すなにかのヒントになれば……。そういう思いで、日頃考えていることを、この本にまとめてみました。


 私が経験してきた「人との出会い」「体験から得るもの」の素晴らしさが、あなたの心に届きますように……。

*本文中に登場するニートや元ニートの方たちのお名前は仮名にさせていただきました。
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