無理なくダイエットを成功させる献立のコツ
●朝食を和食に替えるだけでカロリーカット
あなたの朝食は、洋食? それとも和食だろうか?
もし、朝がパン食で、昼はスパゲティやサンドイッチ、夜も外食が多いという人なら、朝食を和食に替えるだけでもダイエットに効果てきめんだ。
むろん、きちんとカロリーを計算すれば、朝食を洋食メニューにしても太ることはない。しかし、朝は一日のうちでもっとも忙しい時間帯。カロリーを気にして調理し、食べる余裕はとてもないだろう。
朝を洋食にすると、パンにバターやジャムをつけ、ハムエッグやサラダのドレッシングに油をたっぷり使うことになって、洋食メニューは、素材そのものよりも、バターや油、マヨネーズなど、調味料のカロリーが心配。忙しいときは「ドレッシングを控えめに」「パンに塗るバターは少なく」と量を加減するのも難しく、ついつい脂質をとりすぎてしまうことになる。
その点、和食なら、白いごはんにみそ汁、焼きのり、塩鮭、納豆など、どれをとっても低カロリー。油を使う調味料も必要ないので、ごはんのおかわりをしなければ、カロリーオーバーになることはない。
これまで洋食派だった人は和食に替えて、1週間お試しを。
●9品目をバランスよく食べればやせやすくなる
ダイエットをはじめるとき、誰もが考えるのは、食事のカロリーを減らすこと。もちろん、摂取カロリーを消費カロリーが上回れば、脂肪は燃焼される。
理屈の上ではそのとおりなのだが、ただやみくもにカロリーダウンすればいいというわけではない。栄養のバランスが悪いと、すぐに空腹を感じるようになってしまうのだ。
人間に必要な栄養素は、“三大栄養素”といわれるたんぱく質、脂質、炭水化物と、その働きを助けるビタミンやミネラルなど。やせやすい体をつくるには、これらの栄養素をまんべんなくとることが必要だ。食事の際は、9品目(肉、魚、貝類、卵、乳製品、豆類、海藻、野菜、油脂)をまんべんなく摂取するように心がけるといいだろう。
ポイントは、この9品目を一日の食事ではなく、一食のなかで摂取すること。一度にまんべんなくとると、それぞれの栄養素が本来の役割をしっかりはたし、相乗効果も発揮して、ダイエットの効率をアップできる。
たとえば、脂肪と野菜をいっしょにとれば、野菜の食物繊維が脂肪分を包み込んで排出されるため、体内に蓄積される量が少なくなる。また、海藻をたっぷりとれば、塩分を同時に排出してくれるので、むくみがとれてスッキリする。
カロリー計算だけにがんじがらめになっていると、たとえやせても髪はパサパサ、肌はボロボロの不健康な体になってしまう。美容面からいっても、栄養素はまんべんなくとりたい。
●夜に海藻類をとるとみるみる“やせ体質”に
人間の体には、夜に食べたものをため込もうとする働きがある。昼間のうちは、食事からとったエネルギーを使って活発に体を動かそうとする交感神経が優位に立っているが、夜になると副交感神経が優位になり、体はエネルギーを蓄えて、昼間の活動に備える態勢に入る。
しかも、夕食のあとにすぐ寝ると、エネルギーはさらに蓄積されやすくなる。「夕食はカロリー控えめに」「夜、眠る前3時間は食べ物を口にしてはいけない」といわれるのは、このためだ。
とはいえ、夕食を大幅にカロリーダウンするには強い意志が必要だし、外食が多い人にはまず実行不可能。
そんな人は、夕食に海藻類をたっぷりとるだけでもいい。
海藻類はカロリーがほとんどないため、ダイエットには最適の食材。毎日の食卓に、わかめの酢の物や、もずく酢、昆布の煮付け、めかぶなどを積極的に取り入れるようにしよう。
海藻類には、食物繊維が豊富に含まれているので満腹感も得られるし、いっしょにとった脂肪分を包み込んで、体外へ排出してくれる。さらに、海藻類のぬめりには腸をキレイにしてくれる効果も。ダイエットの大敵・便秘の解消にも役立ち、“一石四鳥”だ。
●夜食に最適“冷やごはんおにぎり”
夜食の食べすぎは肥満の原因になるが、夜遅くまで勉強や仕事をしているときは、無理に空腹を我慢せず、夜食をとって脳をリフレッシュさせたほうが能率的。
一般的には、野菜スープや雑炊など、消化吸収のよいメニューが夜食向きといわれるが、ダイエット中の夜食には、おにぎりがおすすめだ。それも、ホカホカのごはんではなく、お釜に残った「冷やごはん」で握るのが、ダイエット効果をアップさせるコツ。
炊く前の生米には、消化吸収されにくい「レジスタントスターチ」という物質が含まれている。この物質は過熱すると量が減り、炊いたごはんにはほとんど含まれていないが、ごはんが冷めてくると、再び量が増えてくるのだ。
つまり、冷やごはんのおにぎりだと、ホカホカのおにぎりを食べたときよりも消化吸収のスピードが遅くなる。そのぶん、満腹感が長持ちして食べすぎ防止に役立つ。
“似たものメニュー”の違いを見極める
●厚焼き卵よりゆで卵がローカロリー
必須アノミ酸をはじめ、ビタミン以外のすべての栄養素が含まれている卵は、さまざまな料理に応用がきく便利な食品。一日1個はとりたい食品だが、調理法によっては、カロリーに大きな差が出てしまう。
たとえば、ゆで卵は1個80kcalなのにくらべ、油や砂糖を加える厚焼き卵は一人前130kcalと大幅にカロリーアップ。ダイエット中は、厚焼き卵のほか、オムレツやスクランブルエッグなどはパスして、シンプルなゆで卵かポーチドエッグを塩で食べるのが正解。