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催眠術入門――自分と他人の心を自在にあやつる心理術
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生き方・教養
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人格までも変えられる深い催眠現象

『催眠術入門――自分と他人の心を自在にあやつる心理術』
[著]多湖輝 [発行]ゴマブックス


読了目安時間:36分
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 深い催眠状態では観念の支配が起こる



 催眠状態が中程度の催眠からさらに深まっていくと、いったいどのような現象が起きてくるのでしょうか。催眠誘導法とともに、いろいろな深化法を紹介しましたが、イメージ法その他で、催眠に誘導された人間は、徐々に深いトランス状態に導かれていくのです。


 人間意識の内容には、意識、前意識、無意識と、心のすべての層にわたる働きが含まれますが、催眠性トランスが深くなればなるほど被験者の注意の焦点は、意識から前意識、さらには無意識へと広がっていきます。ちょうど、催眠によって、心の層に穴をあけて、そのボーリングが心の深い層に到達した状態です。


 このことは、深い催眠状態では、人間の日常生活のなかでは心の奥深く封じ込まれている記憶や欲求、願望、不満などが容易に引き出されることを意味しています。


 私たちが日常生活で意識できるのは、心のわずかな一部分であり、残った意識下の部分こそ、私たちの行動や精神状態を支配する強力な心です。この無意識の部分にボーリングした深い催眠状態で、暗示が行なわれると、ほとんどの人々がその暗示によって、簡単に行動や精神状態をコントロールされてしまうのです。


 深い催眠状態とは、被験者の被暗示性が極限まで高められた状態なのです。それゆえ、これまで述べた、カタレプシーなどの運動支配、手のしびれや部分的な無痛などの感覚支配とは、まったく異なった、日常生活からは想像もつかないような現象が見られてくるのです。


 つまり、もうすこし深い次元での、観念の支配という現象が引き起こされるのです。そのなかには、人間の全人格を支配する現象や、催眠から覚めたあとの行為を支配する現象まで起きてくるのです。



 まったくの無感覚状態から盲目現象までも生じる



 深い催眠状態ではまず、中程度の催眠状態で感覚支配がさらに亢進され、完全な無感覚現象をつくることができます。手の部分的無感覚を生じさせたのと同様な暗示を用いれば、深い催眠状態に陥っている人間は、たとえ針を突き剌してもまったく痛みを感じないし、ストーブの間近におかれても全然熱さを感じなくなります。ミルトン・エリクソンをはじめとするこれまでの催眠研究では、ときには催眠法を用いて一時的に盲目や聾唖現象さえつくられることが報告されています。


 エリクソンは、「見えない」という暗示を与えることで、主観的には真の盲目と等しい状態が得られると述べています。また、ダイネスという学者の研究では、真うしろでピストルを鳴らしてもまったく動じない催眠性つんぼ現象が報告されています。こうした人たちの考え方からすれば、人間の視聴覚が一〇〇パーセント支配されていることになるのですが、これに対して疑問を投げかけるような研究報告も出されています。


 アメリカのパッティは、あるとき五人の被験者を使って片側性の盲目状態をつくる実験を行なったところ、そのうち四人は完全に両側の目を働かせていることが判明しました。残りの一人についても、最初の実験では片側の目が見えていないような結果が出ましたが、盲目の暗示を与えた側の目には緑色のフィルターを、別の目には赤色のフィルターをつけさせて、いろいろな色で書かれた文字を読ませるテストをしたところ、やはり両眼とも見えていることが明らかになったといいます。


 もし、暗示を与えられた目が働いていなければ、被験者は赤いフィルターを通して赤、黄、橙色以外の文字をすぐさま読めるが、暗示を受けた目が働いていると、緑色のフィルターが視界をじゃまして混乱が起こるように仕組まれていたのです。


 また聴覚の点でも、耳が聞こえないと暗示を受けた人に、自分の話し声が四分の一秒遅れて戻ってくる装置を用いて話しつづけさせた場合、戻ってくる自分の声に妨げられてうまく話ができなかったが、正常状態にくらべれば、その障害される度合いが少なかったという実験結果が、アメリカの学者グループから報告されています。


 これらの例からみれば、深い催眠状態では、視覚・聴覚の支配はある程度できるが、本当の全盲や全聾とは多少機能的に違った状態にあると考えられます。



 暗示の力でイメージや幻想の主人公になりきれる



 こうしたまったくの無感覚現象とはべつに、深い催眠状態では、暗示の力で被験者をイメージや幻想の主人公になりきらせることができます。

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