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自己暗示術
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生き方・教養
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一 この一言でやる気が起こる――言葉による自己暗示術

『自己暗示術』
[著]多湖輝 [発行]ゴマブックス


読了目安時間:29分
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1「どうせ」「やっぱり」は、やる気を奪う二大タブー語である。



 仕事や勉強がうまくいかないとき、たいていの人は、「どうせダメだろうと思ったら、やはりダメだった」「しょせん、おれには才能がないのだ」「やっぱり、彼にはかなわない」など、しきりに「どうせ」「やっぱり」「しょせん」といった言葉を連発する。これらの言葉は、いわば「あきらめ」の心境を正当化しようとする代表的な例だが、私に言わせれば、こうした言葉を口にするから、うまくいくことも、うまくいかなくなってしまうのだ。「どうせ」「やっぱり」をはじめ、「しょせん」「仕方がない」「やむをえない」といった言葉は、いわば努力放棄語、思考停止語ともいうべきもので、この言葉を口にした段階で、自分のマイナスが正当化されてしまい、自分をそのカラから一歩も外へ出られなくしてしまうのである。


 この章では、ふだん何気なく使っている言葉が、いかに大きな自己暗示力を持ち、プラスにもマイナスにも働くかをお話ししたいと思うが、もし、あなたが無用な劣等感にとりつかれているとしたら、「どうせ」「やっぱり」を、やる気をなくす二大タブー語として、まず、あなたの会話や文章のなかから消し去ることをおすすめしたい。たとえ、頭に浮かんだとしても、実際に使うことを避けるだけで、自信がモリモリわいてくること請け合いだ。



 苦しみと悩みは、偉大な自覚と深い心情の持主にとって、つねに必然的なものである ――ロシアの作家 ドストエフスキー


2 自分の心に自信を植えつけるには、断定的な表現を使うと効果がある。



 近所の果物屋のご主人から、おもしろい商売上のかけひきを聞いたことがある。食物のなかでも、果物はとくに外見から味のよし()しを判断しにくいところがあるため、客から、「このスイカ甘い?」「このミカン、すっぱくないかしら?」といった疑問をよくぶつけられるのだそうだ。


 こんなとき、「たぶん甘いでしょう」とか、「すっぱくはないはずですよ」といったあいまいな返事をすると、一〇人のうち七人は買わずに帰ってしまうという。


 ところが同じ品物でも、「これが甘くなければ、どこに甘いスイカがあるのかねえ」「うちではすっぱいミカンは(こん)(りん)(ざい)、売ったことがないよ」などと断定形を用いると、おもしろいように売れるのだそうだ。なるほどこれも商売上のかけひきだろうが、じつはこうした客とのやりとりをしているうちに、当の主人が、スイカもミカンもぜったいに甘いと信じるようになっているのだ。こうして客に対する説得にもいちだんと熱がはいって、商売もいっそう(はん)(じょう)するというわけだが、自分の心に自信を植えつけるには、まず断定的な表現を用いて、自分自身を説得することが先決である。「うまくいくだろうか」と疑問形で問いかけるのではなく、「かならずうまくいく」と断定することが、結果をうまくする第一歩なのだ。


3 同じ事実でも、肯定的な〝言いかえ〟をすると、劣等感を解消できる。



 女性にとって、鏡に自分の姿を映しだすことは、幸せな瞬間の一つだといわれるが、同時にそれはひどい劣等感に悩まされるときでもあるらしい。同じ浅黒い肌も、自分の容姿に自信のある女性は「あたしの小麦色の肌は、みごとな黒髪とすてきにマッチしている」と、おのが姿にしばしうっとりするだろうが、ちょっと自信のない女性は、「あたしって、なんて色が黒いんだろう」と、深刻に悩んでしまうにちがいない。


 こんなことから、鏡を見るたびに自信を失い、ついには鏡に八つ当たりすることにもなるのだが、考えてみれば、ある価値に対する基準などというものは、きわめて主観的であいまいなことが多いのだ。きれいだと思えばきれいに見えてくるし、いやだと思えば、なにもかもがいやに思えてくる。とくに劣等感は、言葉によって醸成されることがよくあるだけに、否定的なイメージを持つ言葉を口にだすことは、害になることはあっても、けっして益になることはない。

『物の本性について』を著したローマの詩人のルクレチウスは、「色の黒いことに悩んでいる女の子は、ナッツのような褐色の肌と讃えよ」とすすめているが、鏡に向かって「ナッツのようにステキな肌」と言い続ければ、色が黒いなどということは、すこしも気にならなくなるにちがいない。そうなってこそ、自分の容姿にほんとうの磨きがかかり、どこから見てもすばらしくなることができるのだ。


 ついでに言えば、ルクレチウスは、「やせて骨と皮」は「カモシカ」、「おしゃべり」は「雄弁のたいまつ」、「おてんば」は「大自然の驚異」と言いかえるようにすすめている。


 同じ事実を言うにも、肯定的な言い方をするか、否定的な言い方をするかによって、そのあとの結果に(うん)(でい)の差が出てくるというわけだが、言葉というものは、どんな天才もかなわない魔術師なのである。どんなに不利な状況でも、プラスの価値を含む表現を使えば、同じ事実も逆に見えてくるから、劣等感などにとりつかれる心配はないはずだ。



 志を立つることは大にして高くすべし。天下第一等の人とならんと平生志すべし ――学者 貝原益軒


4 自分にとってマイナスの言葉は、省略するか代名詞に置きかえる。

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