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スイスイ受験術
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生き方・教養
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四 試験度胸はこうしてつける!

『スイスイ受験術』
[著]多湖輝 [発行]ゴマブックス


読了目安時間:33分
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86 受験票にはる写真は、ニッコリ笑って写す。



 あるとき、私は見知らぬ受験生の訪問をうけたことがあります。この人は、ひじょうに気の弱い女性で、試験当日のことを考えただけでも、心臓がドキドキし、気分が悪くなってしまうというありさまでした。いよいよ願書を提出する時期になり、彼女は思いあまって私のところへやってきて、不安をかき消す方法を教えてくれと訴えたのです。私は、別段いい知恵もなかったのですが、とっさの思いつきで、彼女の肩をたたきながら、「心配無用、まあニッコリ笑って写真でも撮って、受験票にはってごらんなさい」と言ってやったのです。彼女は心の迷いがふっきれたように、喜んで帰っていきました。


 几帳面な彼女は、ほんとうにニッコリ笑った写真を撮って受験票にはりつけたのです。試験が終わって報告に来た彼女は、意外に明るい顔をしてこう言いました。「受かるかどうかはわからないけれど、先生の言ったとおり、ニッコリ笑った写真の受験票を机の上に置いて試験を受けたら、意外に気分がなごんで、落ち着いて問題が解けたんです。ほんとうにありがとうございました」


 私は、この言葉を聞いて、私の思いつきのアドバイスが、意外に受験生の心に大きな影響を与えたことに自分で驚いたものです。自分の笑った写真に向かいあうことで、結果的にはこの受験生自身が鏡に向かって笑っているような効果をあげることになったのです。この章では、こうした例をはじめ、いざ本番の試験場でマイペースをたもつためのいろいろな技術についてお話ししましょう。


87 新しい服装は、本番でマイナスに働く。



 ある受験雑誌で、こんな記事を読んだことがあります。地方の学生が、試験のため上京するのに、生まれてはじめて皮靴をはいたため、靴ズレができて、試験の最中、気になってしかたがなかったというのです。また、晴れの舞台に臨むというので、母親からむりやり着せられた新しいワイシャツがきゅうくつだったり、学生服の新しいカラーが首にあたって、なかなか試験に集中できなかったという例がよくあります。


 試験場には、ふだんから着なれたものを着ていくのがいちばんです。緊張しそうなときこそ、安心できるものを身につけておくと心理的にも安定し、アガり防止にもたいへん有効なのです。


88 受験票の写真は、当日の姿になるべく近いものにする。



 受験票を提示したら、替え玉とまちがえられてガックリきたというケースをよく耳にします。試験官がしつこく追求するのは、はってある写真が本人とあまりにも違いすぎている場合です。たとえば、写真では眼鏡をかけてないのに、試験場にやってきた本人は眼鏡をかけているなど、眼鏡ひとつで、人間の顔はずいぶん違って見えるものです。


 また、女性の場合は、ヘアスタイルを変えると、ガラッと違った印象を与えます。ヘアスタイルが災いして試験場でいやな思いをした女子高生のこんな例があります。


 彼女の受験票の写真は、肩まで長くたらしたヘアスタイルだったのですが、それでは顔にかかって答案が書きにくいからと、受験直前に短くカットしてしまったのです。この変身が試験官に疑われるもととなり、大勢の受験生が通り過ぎる中で、本物かどうか協議される大事件になってしまいました。人前で犯罪者のような扱いを受けて、デリケートな乙女心が深く傷ついたことはいうまでもありません。ようやく疑いが晴れて、試験場へはいっても、みんなの視線が自分に集まるような気がして、とても答案に手をつける心境ではなかったというのです。


 つまらぬことで心理的に動揺し、せっかくの実力を十分に発揮できないとしたら、こんなにつまらないことはありません。ふだんのままの姿で写真を写し、そのままの姿で試験場にはいれば、ふだんのままの気持で試験に臨めるのです。


89 受験当日は、不慣れなことは避ける。



 私の知りあいの受験生で、試験当日、スタミナをつけるためにふだん飲み慣れない卵と牛乳を飲んで行ったため、激しい下痢に襲われて、とうとう途中で試験を放棄する悲劇を招いた人がいます。下痢の原因が牛乳にあったのか極度の緊張にあったのかはわかりませんが、ふだんやり慣れないことをするのは、心の緊張を高めるだけで試験に臨む態度としてあまり好ましくありません。


 よく、試験前夜に早寝する人がいますが、ただでさえ緊張する試験には、できるだけふだんの生活の気分で臨むことが、緊張をやわらげるよい方法なのです。そのためには、不慣れなことはやらないことです。


90 準備は、ムダと思えるほど用意周到にしていい。



 いざ試験会場へ臨んだとき、肝心の試験以外のことで神経を使ったり、あわてたりするのはマイナスです。思いがけないアクシデントによる動揺が、試験の〝でき〟を大きく左右することがしばしばあります。当日の準備は、周到にやってやりすぎということはありません。手落ちはないと確認しただけで、気持がずいぶん落ち着くものです。


 忘れもの防止には、あらかじめチェックリストを作成して、前日に総点検してみるのが一番です。筆記用具、受験票を忘れるなどは論外ですが、意外と注意を怠りがちなのが雨具です。日ごろからわかっているとおり、天気予報はあてにはなりません。二月や三月には思いがけない雪が降ることも多いので、体を濡らしてコンディションを崩す例がよくあるのです。電車が遅延したり、ストップしたら、すぐにタクシーに乗りかえる機転が要求されるので小銭も必要です。


 試験場までの交通機関は、念には念を入れて下調べしておくことです。停車しない急行に乗って、あわてて飛び降りて大ケガをし、もちろん試験も受けられなかったという悲劇もあります。私が勤めている千葉大学でも、下車駅の西(にし)()()に急行がとまらないことを知らずに乗り過ごし、時間ぎりぎりに駆けこむ受験生が毎年何人かいます。当日は緊張感がピークに達するときだけに、ささいな手落ちが心理的に大きく影響してきます。

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