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しぐさの不思議
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雑学
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3 聞いてびっくり あの動作の面白ルーツ 人の前を通るとき手刀を切る不思議――

『しぐさの不思議』
[編]博学こだわり倶楽部 [発行] 河出書房新社


読了目安時間:25分
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人の前を通るとき手刀を切る不思議


 相撲で勝った力士が、行司から懸賞金をもらうとき、軍配の上で右手を中・左・右に振ってから受け取る。このしぐさを“手刀を切る”というが、力士だけではなく、オジサンたちもよく使っている。

 たとえば人の前を横切るとき「ちょっと失礼!」といい、腰をかがめ、手刀を切りながら通っていく。よく考えると奇妙な行動だが、これにはちゃんと意味がある。

 そもそも人の前を横切るという行為は、相手のなわばりに強引に踏み込むということになる。

 当然、踏み込まれたほうは、自分のなわばりに踏み込んできた侵入者に対して強い不安感を抱くだろう。

 だから踏み込むほうは相手に余計な不安を抱かせないように、手刀を切ることで相手と自分のなわばりを区別し、手刀を切ることによってつくられた自分のなわばりを通るのである。

 手刀は日本特有のしぐさらしく、欧米人や、日本人でも女性の場合は“ニッコリ笑う”ことが多い。

 これも手刀同様、友好的な態度を取ることで、相手に不安感を抱かせないための心配りの手段なのである。


人はなぜ拍手をするようになったのか


 歓迎、共感、賞賛、感激、感謝など、たくさんの意味を表現するしぐさとしておなじみなのが拍手である。今では当たり前におこなわれている拍手だが、じつは日本における歴史は意外に浅いのである。

 拍手が日本に伝わってきたのは、明治時代といわれている。江戸時代には人前で音を立てることは失礼なこととされていたが、明治の文明開化の訪れとともに、西洋から音楽会や演劇、演説などが伝わり、そうした場面でみられる拍手の習慣も同時に広まったようである。

 それでは、本家本元の西洋では拍手はどんな理由から生まれたのだろうか?

 民族学の専門家によれば、拍手の起源は古代ギリシア・ローマあたりだとされている。当時は手が体の器官のなかでも上等なものと考えられており、霊的な意味でも人間のシンボルだとされた。その尊い手から出た音を相手に聞かせることで、相手をほめ(たた)えるという意味をもたせたのである。

 しかも、手は左右対称であり、叩いて音を出すのには出しやすく、いい響きを生み出す。これほど合理的な動作はない。

 こうして生まれた拍手がやがて世界中に広まったのだが、拍手をするためには大勢の人たちの前で少数の人がなにかをするという状況が欠かせない。産業が発達していない地域ではこうした場面が少ないため、拍手はなかなか広まらなかった。今でも拍手の習慣がない地域は世界中にある。

 拍手と文明は、密接な関係をもっているといえよう。


どうして「いってらっしゃい」といいながら手を振るの?

「いってらっしゃい!!」と大きく手を振りながら、動きはじめた電車をホームの端まで追いかける若い女。

 北国に赴任(ふにん)する青年が去ったあとのホームには女の叫び声と涙が残る……。

 不思議なことに、われわれは人を見送るとき、無意識のうちに手を振ってしまう。しかし、古代の人々にとっては、手を振るということに大きな意味があった。

 奈良時代の女性の衣装には「ヒレ」という薄い布があり、これを振って神の霊力を招き寄せるマジナイをしたという。万葉集にも、マジナイとして(そで)を振って相手の恋心を引き寄せるという歌は数多く残っている。そして、旅立つ人などを見送るのに袖や手を振るのも、神のご加護を仰ぎ安全を祈るための習慣であった。

 いまどき、マジナイで袖を振るなんて人はいない。

 ハンカチを振るのでさえ、せいぜい古きよき時代の日活映画くらいで、ただ手を振るぐらいだ。ヨチヨチ歩きの子どもでさえ「バイバァーイ」と手を振るのだから、なんの意味もない。そこには、祖先が別れを惜しみ相手を思いやったという切なくも甘いシーンの形式が残るだけである。

 ここぞというときには、たまにはこんな気持ちでいつもとちがった別れを演出してみるのもいいかもしれない。

 胸のうちが相手に伝わるかどうかはべつにしても……。


手拍子のときオジサンはなんで手をこするの?


 正月明けは新年会、三月は送別会、四月になれば歓迎会にお花見……というように一年中宴会の種は尽きない。

 一杯やって気分も乗ってくれば歌の一つも自然に飛び出そうというもの。

 そんなときに、注意してみると、オジサンたちが、手をすりあわせながら手拍子をし、気分よさそうに歌う光景を目にすることがある。

 あの手をすりあわせてする手拍子にはなにか意味があるのだろうか?

 オジサンたちが気持ちよさそうに歌う曲というのは、ゆったりしたテンポの三拍子の曲が多い。
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