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迷子になった遺骨

『怪奇現象』
[著]新倉イワオ [発行] 河出書房新社


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・ひとりでに濡れる骨箱


 JRの乗降客が、車内や駅の構内に置き忘れる品物は、まさに千差万別であると聞く。雨傘が群を抜いて多いというのもうなずけるが、なかには入れ歯まであるというからおもしろい。

 大切な入れ歯を忘れた張本人は、地団駄(じだんだ)踏んでくやしがったところで、歯がなくては歯ぎしりもできないだろう。

 また、本当に信じられないのだが、忘れ物のなかにお骨の入った白木の箱があると聞いては驚く。“死んでしまえばただの骨”とばかり、ふつうの荷物と同じように網棚に載せてしまった結果が遺失物となってしまうのかもしれないが、置き去りにされた遺骨の主は、情けなくて成仏もできまい。

 それとも葬儀のあとで故人を(いた)む酒を()み交わし、ふだん持ちつけない白木の箱の包みを、ころっと忘れてしまった結果だろうか……。いずれにせよ、この忘れ物を探し出すご当人は、遺失物引渡所に現れた時には平身低頭、不始末を骨身に感じて立ち去るそうだ。
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