読みたいトコだけ買える本。
犬耳書店
初めての方へ 記事一覧 無料登録 ログイン
0
50
kiji
0
0
1033120
0
怪奇現象
2
0
0
0
0
0
0
エンタメ
お気に入りとは?

お気に入りボタンを押すとお気に入りリストにこのページが追加されます。興味のあるページ・気になったページを後から確認するのに便利です。

お気に入り お気に入り
すすり泣く仏壇

『怪奇現象』
[著]新倉イワオ [発行] 河出書房新社


読了目安時間:9分
この記事が役に立った
0
| |
文字サイズ

・間借り人は薄幸の美女


 郊外の一軒家に住む伊東久枝さん(四十五歳)は、一人暮らし。夫を亡くしてからというものは、二人で暮らしていた思い出に浸り、涙する日々がつづいていた。

 このままではいけないとようやく立ち直り、近所の人とおしゃべりをしたり、美術館めぐりをしたりと、積極的に外へ出るようになったのは、夫の死から一年が過ぎたころ、そして、子供に恵まれず、近くに身寄りもいない寂しさから、思いきって二階の部屋を貸すことに決めたのである。

 十日ほどもたったころ、伊東さんの所へ部屋を借りたいと申し出てきたのは、野木恵子さん(二十五歳)という女性だった。なんでも離婚したばかりだということで、美人ではあるが、どことなく暗い影を漂わせていた。

 とはいえ、広い家に一人で住んでいるのとは違い、家の中に人の気配があるのは、それだけで心が華やぐものである。それに、恵子さんは美しいだけでなく、朝晩の挨拶などもきちんとかわし、節度をわきまえた女性であった。こんなにいい人が、なぜ離婚にまで至ってしまったのかと、不思議に思えるほどなのだ。
この記事は役に立ちましたか?

役に立った
0
残り:3851文字/本文:4310文字
      この記事を収録している本
      レビューを書くレビューを書く

      今レビューすると30ポイントプレゼント! 今レビューすると15ポイントプレゼント! 犬耳書店で初めてのレビューはさらに30ポイント! ポイント詳細はこちら

      この本の目次