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戦場の幻

『怪奇現象』
[著]新倉イワオ [発行] 河出書房新社


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・激戦地から決死の脱出!


 昭和二十年四月の中国における大激戦の模様と、その時の不思議な体験を、高宮悦史さんはこう語っている。

 戦況は高宮さんの戦っていた地にかぎらず、すべての戦場は武器、弾薬、食糧が底をついて、もはや勝利は望み薄になっていた。

 高宮さんが激戦地から脱出したその日も、まわりはすでに完全に敵軍に包囲されて、猫の子一匹逃げ出す隙もない、孤立無援の状況であった。

 本隊からは、「生存者全員、急遽退去して、本隊に合流せよ」との無線連絡を受けていたが、どこをどう迂回(うかい)し、脱出すべきか、小隊長の戦死したあとを引き継いで指揮に当たる軍曹にも、なす(すべ)もない。ただ囲まれた現在地の草むらに身を隠し、敵の目から逃れるのが精いっぱいであった。

 (せき)一つ、くしゃみ一つできない。敵兵が動いて何かに触れるのか、カチンという金属音が耳に入ってくるほど、距離は近い。

 しかし、本隊からの命令は絶対であり、軍曹はついに移動開始に腹を決めた。

 当時は、退却という言葉は日本軍にはなく、それを転進といった。
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