読みたいトコだけ買える本。
犬耳書店
初めての方へ 記事一覧 無料登録 ログイン
0
100
kiji
0
0
1033146
0
心の疲れをとる安らぎのススメ
2
0
0
0
0
0
0
雑学
お気に入りとは?

お気に入りボタンを押すとお気に入りリストにこのページが追加されます。興味のあるページ・気になったページを後から確認するのに便利です。

お気に入り お気に入り
3 しみじみと思索にふけり郷愁(ノスタルジー)にひたってみよう▼たとえば、初恋の人を思い出しラブレターを書いてみる――

『心の疲れをとる安らぎのススメ』
[編]夢プロジェクト [発行] 河出書房新社


読了目安時間:23分
この記事が役に立った
0
| |
文字サイズ



世界一美しい夕焼けを眺める


 夕焼け……西の空を(あかね)色に染めて、静かに陽が落ちていく荘厳(そうごん)なパノラマ。

 この夕焼けは、日本のどこでも見られるのだが、もっとも美しい夕焼けを見ることができる、とされているのが青森県の深浦(ふかうら)町だ。同町は「日本一夕日が美しい町」として広報に(いそ)しんでいる。

 たしかに深浦町は、背後に世界遺産の白神(しらかみ)山地をひかえ、目の前には春夏秋冬、それぞれの季節に様相(ようそう)を変える日本海がある。冬は烈風が吹き、横なぐりの吹雪が荒れる。そこに沈む夕日。その冬が過ぎ春になれば、あたり一面の菜の花畑。それをかたわらに、穏やかな海に沈む夕日。夏になれば、大きく荒れる海に沈む夕日。秋になれば、岩陰にススキの穂が揺れる海に沈む夕日……。

 想像しただけでも、何となくその美しさがわかるのだが、日本一の夕日は深浦町ばかりではない。愛媛県双海(ふたみ)町も「沈む夕日が立ちどまる町」として広報に勤しんでいる。

 ともに海に沈む夕日の美しさを競い合っていて、それはそれで美しいと思うのだが、夕日は海ばかりではなく、山にだってビルの谷間にだって沈み、それぞれ海に沈むのと同様の美しさがある。その美しさを眺めるのである。

 深浦町や双海町に行って、日本一の夕焼けの美しさを見るのもいいだろうが、わざわざそこまで行くこともない。日曜の夕方。わが家の近くで夕日が落ちていくのを見る。空の雲が静かにゆっくりと変化していく。

 銀色だった雲が、薄紅色になり朱色になり、赤色になり……そしていくらか黒みを帯びた(あかね)色となって、見渡せば空いっぱいの夕焼け雲。

 この夕焼けを楽しむ。夕日が沈んでいく。夕焼け雲が少しずつ、ほんの少しずつ周辺から黒ずんでいく。

 あなたが、その夕焼けを見ているその場所こそが、世界一、夕日が美しい場所となるだろう。


初恋の人を思い出しラブレターを書いてみる


 初恋の人を思い出す……といっても、人にはそれぞれの初恋のケースがあるだろう。小学生のとき、大きなケガをして入院した。そのとき、母は厳しく鬼のように怒ったが、看護婦さんは優しく温かく看護してくれた。

 その優しく美しい看護婦さんと、一緒に過ごした2週間。退院の日が近づくにつれ、消灯時間が過ぎた夜、病室の暗い天井の一点を見つめながら、看護婦さんとの別れに、つい知らず涙が浮かび出て、ああ、これが初恋なのか……と思った人もいるだろう。

 たしかに、それも初恋かもしれないが、ここではもう少し現実味を帯びた初恋を考えてみる。

 現実味を帯びた初恋、ということになれば、中学校時代の後半から高校時代ということになるだろう。

 その現実味を帯びた初恋の人を思い出す。そして、その人に思い切って手紙を書くのだ。あのとき書けなかった、初恋の人へのラブレター。当時のことを思い浮かべながら書く。
「ご無沙汰(ぶさた)いたしております。お元気のことと思います。今、私は松本(長野県松本市)に戻ってきました。抜けるような青い空、白い雲。お下げ髪のあなたと一緒に、母校の甲子園出場を三塁側スタンドで、声を限りに応援したときも……あのときも青い空、白い雲でしたね。

 今、ふうわりと浮かぶ白い雲を見ていると、たまらなくあなたに会いたくなりました。会ってください。お会いして、あなたと一緒に松本城内を散策できたら、と思うと胸がいっぱいになります。お返事を心からお待ちいたしております」

 このような手紙を書き、そして丁寧(ていねい)に初恋の人の住所、氏名を書く。そして封をするのだが……投函(とうかん)はしない。

 ひとり、20年(あるいは30年)昔の自分に戻り、岡の上の石に腰を下ろして、青い空、白い雲を見上げるのである。


映画の感動のシーンをしみじみと回想する


 映画などで感動のシーンを見ると……涙が浮かんでくるとともに、心が洗われる思いがする。

 しかし、この感動のシーンは、映画が終わってしまうと(心には残ったとしても)、それで終わってしまう場合が多い。とくに最近では、映画を映画館で見るよりも、テレビで見ることが多くなると、感動を打ち消すようなCMが流れることもあって、その場限りで終わってしまうことが多いようだ。

 しかし、心には残っている。

 それをひとりでいるときなど、目をつぶって静かに思い出すのだ。
この記事は役に立ちましたか?

役に立った
0
残り:9587文字/本文:11377文字
この記事を買った人はこれも買っています
      この記事を収録している本
      この本で最も売れている記事
      レビューを書くレビューを書く

      レビューを書いてポイントゲット!【詳細はこちら】

      この本の目次