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謎の殺人事件 ミステリー劇場
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ミステリー13 L特急「有明」殺人事件

『謎の殺人事件 ミステリー劇場』
[著]若桜木虔 [発行] 河出書房新社


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 列車内で缶コーヒーを飲んだOLが毒死した。恋人に捨てられたその女は、一時間前にも同じものを飲んでいたという……。


 水俣を七時五五分始発、熊本を八時二〇分発の、博多経由・小倉行きL特急〈有明一〇号〉の車内での出来事である。

 このL特急は熊本を発ったあとは、玉名・長洲・大牟田・瀬高・羽犬塚・久留米・鳥栖・二日市と停車して博多に至る。

 九時四〇分、もう間もなく博多に到着するというとき、突如、グリーン車に乗っていた若い女性がうめき声をあげて苦しみはじめた。
「ちょ、ちょっと、しっかりしてください! だいじょうぶですか?」と、反対側の座席に座っていた乗客が、声をかけた。

 しかし、そのときには、もうすでに女性の意識は混濁している様子で、白目をむいて返事がなかった。

 乗客は慌てて専務車掌をよびに、車掌室に走った。

 専務車掌の丹羽修平(たんばしゅうへい)は急いで駆けつけてきて女性客の様子をみたが、すでに女性はコト切れていた。

 青酸性の毒物による毒殺だ、と丹羽車掌は思った。女性の口元から、わずかにアーモンドのにおいが漂っていたからである。

 まだ生命があれば降ろして救急病院に運ぶことになるが、死亡しているとなると終点まで行って、そこで所轄警察の検死を受けることになる。
* *

 現場検証をした福岡県警の刑事たちと鑑識課員は、缶コーヒーに青酸を混入したものを飲まされての中毒死、という判断を下した。

 女性客の足もとには、飲みかけの缶コーヒーが転がっていたが、鑑識課員がそれを調べると、ちょっとみただけではわからないが、缶に注射針状のものを刺してロウで封をした痕跡があった。
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