◎1 自分を必要としてくれる人の役に立ちたい!
◇看護師:医療の第一線で活躍できる【国家】
・受験資格/指定の学校、または養成所の卒業者
・合格率/約90%
・受験料/5400円
患者の観察や医師への報告、医師が患者にほどこす治療の補助、医療チーム間の調整、療養の世話、記録、手術の準備など、看護師の仕事内容はじつに広範囲だ。患者の命を預かる仕事だけに責任は重く、やりがいもある。患者の精神的支えにもなるなど、病院内での役割は非常に大きい。
高齢化社会の今日では、在宅での介護ニーズも高まっており、訪問看護ステーションでの仕事も急増。就職率は100%だといえる。
時間外勤務が多く、肉体的にもハードなので、女性の場合は結婚や出産を機に職場を離れる人も少なくないが、仕事復帰も難しくないので、一生働いていける仕事でもある。
資格試験を受けるには、文部科学大臣の認定した学校で3年以上学ぶか、厚生労働大臣指定の看護師学校、養成所を卒業していること。また、3年以上業務に従事している准看護師なども受験可能だ。
[問い合わせ先/各都道府県ナースセンターまたは中央ナースセンター 電話03−5275−5926](中央ナースセンター)
◇薬剤師:男女差がなく稼げて開業も可能【国家】
・受験資格/本文参照
・合格率/約80%
・受験料/5400円
薬剤師は処方せんに記載された医薬品を、病院や診療所、薬局で調剤するのはもちろんのこと、町の薬局で薬を販売をしたり、製薬会社での薬効の研究や開発、薬事行政などに携わる。
ほかにも食品メーカーや化粧品メーカーなどで活躍できるし、経験を積めば自分で薬局を開業することも可能。
また、有資格者の約半数以上が女性で、収入面でも男女差のない資格である。さらに結婚しても職場復帰がしやすいなど、女性に対するメリットが大きい仕事でもある。
受験できるのは、(1)大学で薬学の正規の課程を修めて卒業した者か、卒業見込みの者、もしくは(2)外国の薬学校を卒業して外国の薬剤師免許を受けており、厚生労働大臣が、(1)と同等以上の学力や技能を有しており、かつ適当であると認めた者。
資格取得者の約80%が新卒者。合格のためには、学生時代からしっかりと目標を定め、大学在学中に集中して勉強をしておくことが大切だ。
[問い合わせ先/厚生労働省医薬局総務課試験免許係 電話03−5253−1111]
◇理学療法士:リハビリテーションの中心的存在【国家】
・受験資格/養成施設で3年以上の経験
・合格率/約95%
・受験料/1万1000円
理学療法とは、交通事故などで障害をもった人に対し、基本的な身体運動機能を回復させるために、体操などの運動を行って、マッサージをはじめとする物理的手段を加える療法のことをいう。
理学療法士はこの療法を駆使し、患者の社会復帰を可能にしていく。
病院や診療所といった医療機関で働く理学療法士が多いが、老人保健施設、養護学校、スポーツの分野でも、その存在が求められている。
理学療法士になるには、文部科学省や厚生労働省の定める学校を卒業し、国家試験に合格する必要があるが、学校には大学、短大、専門学校などさまざまな形態がある。
試験は筆記、口述、実技で、合格率は非常に高いが、これは学校で真剣に学んだがゆえに可能なことだろう。
日本は高齢社会であるだけでなく、車社会でもあり、今後社会福祉施設や病院でのリハビリに、数多くの理学療法士が必要になるだろう。
[問い合わせ先/厚労省医事課試験免許室国家試験係 電話03−5253−1111]
◇臨床心理士:心の傷をカウンセリング【民間】
・受験資格/心理学修士+臨床経験
・合格率/約70%
・受験料/3万円
複雑化する現代社会では、ストレス過剰のためか精神治療の必要性が大きくなり、心理カウンセラーの存在がクローズアップされてきている。
つまり、心療内科の需要が高まってきている証拠といえるだろう。臨床心理士は患者の悩みを聞き、解決に導く手助けをするほか、学校、企業、地域社会の諸施設、高齢者施設などでも相談員としての仕事が山積していて、ますます需要が高まりそうな資格だ。
少子化、高齢化、離婚増加など現代社会の象徴的な現象のまっただなかでの仕事といえる。特殊なものとしては、司法・矯正の現場での指導員といった社会的役割の大きいものもある。
大学院を出て心理学専攻なら経験1年、心理学隣接学科なら2年の経験で、基本知識と療法に関する学科と論述試験に合格すれば、取得できる。