◎エンジニア・操縦士ほか――
◇コンクリート破砕器作業主任者:建築物を安全に壊す【国家】
・受験資格/特に制限はないが、実務経験など必要
・合格率/約90%
・受講料/各開催地により異なる
老朽化したコンクリートの建築物などを壊す場合に、コンクリート破砕器を使う場合は、コンクリート破砕器作業主任者を選任しなければならない。
資格者は、作業方法を決めて破砕現場で監督をし、さらに労働者の退避場所や経路の指示をするなど、すべての作業が安全に行われるように指導する立場となる。
この資格は、都道府県労働局長が指定した機関で講習を受ければ取得可能で、受験資格を得るための実務経験などがあれば簡単にとれる。しかも、取得者が少ないので優遇される。
受講のための資格は、コンクリート破砕器を用いて行う作業の2年以上の経験者、もしくは大学、高専、高校で応用化学、採鉱、土木を専攻して卒業し、1年以上の実務経験がある者。発破技師免許をもつ人も、1年以上の実務経験があれば受講可能だ。また、火薬類製造保安責任者免状、火薬類取扱保安責任者免状などの取得者は、実務経験がなくても受講可能である。
[問い合わせ先/全国火薬類保安協会 電話03−3264−8751]
◇基礎施工士:コンクリート杭工事を円滑に進める【公的】
・受験資格/一定学歴と実務経験が必要
・合格率/約40%
・受験料/1万5000円
ビルなどを建設する場合、基礎工事は要ともいうべき存在である。その基礎工事の一つである場所打ちコンクリート杭工事に携わる技術者を対象にしたのが、この資格である。
この資格をもつ人の職務は、良質な工事を安全かつ円滑に施工すること。
建築物がどんどん大型化し、高層化する現代において、基礎工事に対する高度で専門的な知識をもつ資格者の存在は、ますます重要なものとなる。
受験をするには、一定の学歴と実務経験が必要だ。
実務経験だけなら8年以上、高校(旧制中学、旧制実業学校を含む)卒の場合は5年6か月以上の実務経験者。短大、高専、専門学校卒の場合は3年6か月以上、大学卒なら2年6か月以上の実務経験が必要だ。ただし、土木工学などの指定学科を卒業した人は、実務経験が短縮される。
資格の認定証の有効期限は5年。更新をする場合は、特別講習会を受講する必要がある。
[問い合わせ先/日本基礎建設協会 電話03−3551−7018]
◇建築設備士:設計士のよきアドバイザー【国家】
・受験資格/本文参照
・合格率/約20%
・受験料/3万4650円
ビルの空調や換気設備、給排水衛生設備、電気設備、防災設備など、近年の建築設備は年々高度化している。こうした設備について、設計や工事監理に関して設計士にアドバイスを行うのが、建築設備士の仕事である。
受験資格に年齢制限はないが、学歴や取得資格により実務経験が必要だ。建築、機械、電気系の学部卒業者と1級建築士、1級管工事施工管理技士、第1種電気主任技術者、第3種電気主任技術者の資格をもつ人は、建築設備に関する実務経験が2年以上。これらの資格をもつ人は通算の実務経験年数があれば、ほかの資格取得時期に関係なく受験が可能。
短期大学と専修学校卒の人は4年以上、高等学校卒業者は6年以上の実務経験が必要で、実務だけの人は9年以上の経験が必要となる。
試験は一次が学科で、二次が設計製図。一次の学科試験に合格した人は二次で不合格になっても、本人が申請すれば翌年の一次試験は免除となる。
[問い合わせ先/建築技術教育普及センター 電話03−5524−3105]
◇防錆(ぼうせい)管理士:錆を防いで建造物を長持ちさせる【公的】
・受験資格/高卒程度の学力を有する者
・合格率/80〜90%
・受験料/19万9000円(受講料含む)
防錆管理士は経済産業省や国土交通省、文部科学省、中小企業庁、日本商工会議所が後援する公的資格。厚生労働省の教育訓練給付金制度の支給対象にもなっている。
湿度の高い日本では、コンクリートの建物や地下配管などに腐食や錆が発生しやすく、これを防ぐのが仕事だ。
現在、有資格者は建築や土木、電力、ガス、通信、化学、電気・電子、運輸・物流などさまざまな分野で、スペシャリストとして活躍している。有資格者の絶対数が不足しているため、将来有望である。
資格を得るためには、日本防錆技術協会が主催する1年間の通信教育を受講し、防錆管理士認定総合審査に合格しなければならない。